第507冊目 いつも目標達成している人の勉強術 福田稔/著

いつも目標達成している人の勉強術 (アスカビジネス)

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サンドイッチ学習法
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私が中学生だったときのことです。当時、英語の授業は二〇代後半の男性教師Aさんでした。A先生は、ある日、私たちにこう言いました。「明日までにこの文章を暗唱できるようにしなさい」。テキスト一ページほどの文章を丸暗記して、テキストを見ずに言えるようせよ、と言うのです。皆いっせいに不満そうな表情を浮かべました。正直とても無理だと思いました。


「でも、そんなの関係ねぇ」とばかり、先生は翌日、一人ひとり生徒を指名しては、宿題の英文を暗唱させました。途中で詰まったりしたら、怒られるのです。こうして不満を口にする雰囲気は一掃されました。


A先生の授業では毎日、暗唱文を宿題として課されました。私は家に帰ると、英文を声にだしては、何度も何度も読みました。それでもどうしても完璧には覚えられず、もういいやと半ばあきらめ気分で眠りにつくのでした。


翌朝起きたら、また昨日覚えた英文の暗唱の続きです。するとどうでしょう。


前夜まではあんなにたどたどしかった英文がスラスラと言えるようになっているのです。実に不思議な体験でした。


授業で指名されたとき、あんまりスラスラと言えるので、クラスの皆が感嘆の声を上げたのを今でもはっきりと覚えています。


それ以来、英語に限らず、暗記系の科目は、最初は記憶があいまいでも、翌朝にもう一度復習すれば記憶の定着度が良くなるという体験を次々としてきました。


どうして、そんなことになるのか、理由はおよね次の三点に集約できます。

  1. 声にだし、目と耳を使っている
  2. 一度覚えたことを、あまり時間を空けず復習している
  3. 寝ている間も大脳は活動していて、記憶の整理をしている


実は、科学的にもこのことは証明されています。J・C・ジェンキンスとK・M・ダレンバックは、暗記した後、すぐ寝たほうが、ずっと起きているよりも記憶が長く保持できるという研究成果を発表しています。せっかく覚えても、いったん眠ったら忘れてしまうから徹夜をしたほうがいい、などというのはまったくの誤解です。「寝たら忘れる」のではなく、「寝ないと忘れる」のです。


これが、夜と翌朝の間に睡眠をはさんだ学習法は、「サンドイッチ学習法」です。サンドイッチ学習法の一番効果的な活用法は、その日学んだことを寝る前にほんの少し復習し、翌朝、短時間で再び見直すことです。


これが記憶の定着に抜群の効果を発揮します。


あなたにすべてのよきことが雪崩ごとく起きますように♪

サンドイッチ サンドイッチ (幼児絵本シリーズ)

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今日の名言


「繰り返す回数と記憶の定着は確実に正比例する」――福田稔


今日の感想


こんにちは、ソンリッサです。


本日の一冊は、資格学校の講師で中小企業診断士社会保険労務士行政書士宅地建物取引主任者ファイナンシャルプランナーなどの試験にいずれもストレートで合格した福田稔さんによる一冊。


「やる気は時間の経過とともに誰でも自然に下がります」「記憶は繰り返し読んだテキストに宿る」「わかるとは分けること」などの方法は必読。


社会人でも学生さんでも勉強に役立つ内容が満載で、ぜひ読んでおきたい一冊です。


目次


第1章 試験を受ける前の心構え
第2章 勉強時間はこうすれば確保できる
第3章 勉強はどうやるか
第4章 計画の正しい立て方
第5章 やる気を高め、維持する方法
第6章 悔いの残らない試験直前対策
第7章 これから受験する人へ
付録 笑いながら身につく勉強術


いつも目標達成している人の勉強術 (アスカビジネス)

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