第313冊目 レバレッジ・マネジメント 少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略 /本田直之/著

さまざまな経営者を見てきて、私が感動した事実がある。それは、優れた経営者は一様に素直であるということだ。

優秀な経営者はまた、「この人の意見は参考になる」と判断すれば、たとえ年下の意見だろうと目下の者のアドバイスだろうと、実際に試してみる素直さを持ち合わせている。

人脈というのは必要になったときに築こうとしても築けるものではない。

「教えてください!」とばかり頼むのは、情報が無料だと思っている旧型思考の人である。情報とは資源であり、タダではない。教えてもらうに値する、しっかりとした人間関係になっていなければ価値ある情報は得られないし、いくら親しくても、必要に応じて、しかるべきアドバイザーフィーを払うべきだ。

俯瞰逆算思考とは、まず地図を見て現在地と目的地を確認し、「このルートで行くのが一番近い」ということを考えたうえで、スタートすること。つまり、ゴール、すなわち時間軸の長いところから見て、決めていく。そして、短期に落とし込んでいくので、長期的視野といってもよいだろう。

俯瞰逆算思考するには、やることが明確になっていなければいけないし、そこに到達するまでの道のりをはっきりさせなければいけない。スケジュールどおりにたどり着くために、より効率的な行き方を考えることも必要だ。

経営者は早起きをするべきだ。

夜には時間制限がない。極論すれば、「明日までに終わらせるには、徹夜すればいいや」という思考に走り、効率化よりも、がむしゃらに頑張ることが主眼になってしまう。逆に朝は、あらかじめ制限があるので、優先順位を考えて効率化することができる。「9時までに、会社に行かなくては」となれば、その前に何をやるべきかを考え、時間内に終了させるにはどうしたらよいかという工夫が生まれるのだ。

早起きの効果は計り知れない。経営者としての基本と心得て、習慣にしてしまおう。

「自分がやっていることの中で、やらなくてもよいことは何か?」
忙しい経営者こそ、常にこの問いかけをしなくなはならない。

会社全体についても、やらないことを先に決めるべきだと私は思う。

食事や飲酒といった生活の習慣を見直し、健康に留意するのはもちろんだが、定期的な健康診断や人間ドックも欠かさないこと。

難しく考えすぎて会社をおかしくする経営者は、思いのほか多いのである。

第1章 経営者のレバレッジ
第2章 戦略のレバレッジ
第3章 営業のレバレッジ
第4章 ブランドのレバレッジ
第5章 仕組み化のレバレッジ
第6章 組織のレバレッジ