第369冊目 人生を思い通りに変える51の質問 谷原誠/著
- 作者: 谷原誠
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/03/26
- メディア: 単行本
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- 自分が思っているほど重大なこと?
私たちの周りには、重大なことが頻繁に起こります。上司にひどく怒鳴られた、同僚から無視された、恋人が全然電話に出ない、配偶者と喧嘩した、子供がいじれられた、等々、大騒ぎする事件に事欠きません。
私たちは、どうしても目の前で起こることに目を奪われてしまい、騒ぎ立ててしまいます。しかし、時間が経って、後から振り返ってみると、どうでしょうか? その時は重大なことと思えていたことが、後から振り返ると、それほどたいしたことではなかった、という経験がよくあります。
また、「絶体絶命でどうしようもない」と絶望していたところで、運良く誰かが手助けしてくれて、事なきを得ることもあります。
自分が重大なことだと思っているうちのほとんどは、大騒ぎするほどのことではなかったと、後からわかるでしょう。
ですから普段の生活の中で「これは大変だ」と思うことがあったときは、「これは、自分が思っているほど重大なことなのだろうか?」と自問してみてください。そして、自分にとってもっとも大切なことに、自分の心を振り向けてほしいと思います。それが、自分を大切にする、ということだと思います。
黒沢明監督の映画「生きる」は、自分の余命が短いと知った市役所の市民課長が、死ぬ前に、自分が生きた証として、公園を作ろうとして奮闘すく、というストーリーです。その過程で、役所の意志決定過程の困難な壁にどちあたります。
ほかの部署の人間から、けんもほろろに追い返されたり、煙たがられたりしても、根気強く根回しを続けます。あまりにもひどい仕打ちに、ある人からこう問われます。
「課長は腹が立たないですか? こんな踏みつけられて?」
これに答えて、主人公は、言います。
「わしは、人を憎んでなんかいられない。わしにはそんな暇はない」
つまり、余命短いことがわかっている人間には、誰が失礼なことを言おうと、いちいち怒っている暇などないし、それほど重要なことではない、自分には公園を作ることこそが重大なことなのだ、という意味です。
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