第3971冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

誰もが説教果敢に学ぶ環境づくりはリーダーの重要な使命である点を忘れないようにする。

 

 

他の職員の学ぶ意欲を揶揄したり、批判したりするような言動は示さない。

 

学ぶこと自体が目的化して、それを業務に活かすことができない職員がいる場合は、学びを実践に活かすことの大切さをわかりやすく丁寧に教えるようにする。

 

リーダーの仕事は、さまざまな意見を集約して、チームメンバーが納得できる合意形成を行っていくこと。これができなければ、チームの一体感は薄れるし、部下から「意見がまとめられない上司」とのレッテルを貼られ信頼も得られない。

 

部下から意見や提案がなされているときは、何を提案しているのか、頭のなかで強く意識しながら整理に努める。部下の発言を要約し、「今の発言は〇〇という提案でした」と伝えるのも効果的。司会者が要約することによって、他の職員も発言者の意見・提案をあらためて確認でき、しっかりと脳裏に焼きつけられるようになる。

 

新しいことを提案したり、改善に向けた要望を示したりする場合には、「わかりきっていることだから詳しく説明するまでもない」という態度で臨まない。説明を尽くす姿勢を基本原則とする。

 

自分の考えを他者に示す前に、考えを整理する時間をしっかりともつ。その際には、①何を提案したのか、伝えたいことを整理する。②なぜ、その提案が重要なのか、提案を受ける人が納得できるような根拠を明確にする。③聞き手(部下)にとってわかりやすく、心から納得できる伝え方を工夫する。

 

自分の提案に対して、部下から質問が投げかけられたときは、ポジティブな姿勢で受け止める。「楯突いている」ととらえるのではなく、職場をよくしたいと思っているからこそ質問してくれるのだ、という前向きな視点で受け止めて、丁寧に説明する。

 

日頃から部下とコミュニケーションを取り、今、各チーム、各部門、各部署では何が起こっているか、現状把握に努める。こうした取り組みを通して、担当チーム・部門・部署の状況を把握したうえでの発言であるということが相手にわかる存在になるよう心がける。

 

 自分が働く事業所には、どのような期待が社会(利用者、家族)から寄せられているのか、どのようなレベルや内容のサービスを提供することが要求されているのか、情報収集を行い、理解に努める。同時に、5年後、10年後にはどのようなレベルや内容のサービス提供を実現することが期待されているのか、中長期的な視点から展望を整理するという取り組みに着手する。

 

そのうえで、リーダーとして担当部署をどうしていくか、ビジョンを明確にする作業に取りかかる。

 

明確にしたビジョンは、担当部署職員に可及的速やかに伝達する。そのビジョンに向かって、ともに力を合わせて進むよう働きかけるようにする。

 

美人の明示後は、担当部署があるべき方向に向かって進めるよう当面の重点目標と達成計画の立案に取りかかる。立案した計画は、適宜実行に移す。こうした取り組みを通して、ビジョンに向かって着実に突き進む組織文化(チームカラー)の醸成を図っていく。