第3972冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

不機嫌な態度はともに働く仲間を不安にさせてしまう。リーダーシップを発揮する立場にある人はこの点を心にしっかりと刻み、常に安心感を与えるような態度や表情で働くよう心がける。

 

リーダーは、部下に対してはいうまでもなく、誰に対しても、笑顔であいさつを心がけなければならない。笑顔は人の心をリラックスさせる注目すべき作用がある。あいさつは、あなたのことを大切にしていますと相手に伝える最良かつ最強のコミュニケーション手段となる。

 

部下が不安になるような態度や姿勢は働く意欲を根こそぎ奪ってしまう。自分が無意識のうちに示す仕草、立ち居振る舞い、動作、言動に、人を不安にさせるようなものはないか、振り返り、万が一、見直すべき点が明らかになった場合は、先送りせず、必ず、修正に努める。

 

万が一、部下が働く職員のなかに、不機嫌オーラを示す人がいる場合は、その状態を放置してはいけない。話をする機会を速やかにもち、何がその職員を追い込んでいるのか、原因の把握に着手する。プライベートなことで困難を抱えている、何らかの理由で心が不安定な状態に追い込まれているなど、原因が浮かび上がってきた場合は、解決に向けたアドバイスをする。

 

思いつきで何の説明もなく、意見をコロコロ変える状態が続くと、やがて誰も意見や提案に心から耳を傾けなくなる。

 

新しい試みへのチャレンジは、職場の発展に貢献できるワクワク感と同時に、「うまくいかなかっただろうどうしよう」「うまくやれるか心配」などといった不安感を職員にもたらす。だからこそ、方針がコロコロと変わり、混乱をもたらさぬよう細心の注意を払うよう心がける。

 

一度、ある決断を下し、その方向に動き始めたものの、その後、状況が急変し、撤回しなければならないとう事態は起こりうる。万が一、そうした事態が生じた場合は、誠意ある態度で、説明を尽くすよう努める。リーダーシップを発揮する人の重要な役割は、一度出した提案をどんな状況があろうとも決して引っ込めないことではない。先に出した提案に不十分な部分があり、最善の成果が出せないと気づいたときには、撤回を躊躇しない姿勢をもつ。もちろん、そのときには、部下の理解と納得が得られるよう、説明を尽くすのが基本原則である。