第3876冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

自分が働く事業所には、どのような期待が社会(利用者、家族)から寄せられているのか、どのようなレベルや内容のサービスを提供することが要求されているのか、情報収集を行い、理解に努める。同時に、五年後、一〇年後にはどのようなレベルや内容のサービス提供を実現することが期待されているのか、中長期的な視点からの展望を整理するという取り組みに着手する。

 

そのうえで、リーダーとして担当部署をどうしていくか、ビジョンを明確にする作業に取りかかる。

 

明確にしたビジョンは、担当部署職員に可及的速やかに伝達する。そのビジョンに向かって、ともに力を合わせて進むよう働きかけるようにする。

 

ビジョンの明示後は、担当部署があるべき方向に向かって進めるよう当面の重点目標と達成計画の立案に取りかかる。立案した計画は、適宜実行に移す。こうした取り組みを通して、ビジョンに向かって着実に突き進む組織文化(チームカラー)の醸成を図っていく。

 

不機嫌な態度はともに働く仲間を不安にさせてしまう。リーダーシップを発揮する立場にある人はこの点を心にしっかりと刻み、常に安心感を与えるような態度や表情で働くよう心がける。

 

リーダーは、部下に対してはいうまでもなく、誰に対しても、笑顔であいさつを心がけなければならない。笑顔は人の心をリラックスさせる注目すべき作用がある。あいさつは、あなたのことを大切にしていますと相手に伝える最良かつ最強のコミュニケーション手段となる。

 

部下が不安になるような態度や姿勢は働く意欲を根こそぎ奪ってしまう。自分が無意識のうちに示す仕草、立ち居振る舞い、動作、言動に、人を不安にさせるようなものはないか、振り返り、万が一、見直すべき点が明らかになった場合は、先送りせず、必ず、修正に努める。

 

万が一、部下として働く職員のなかに、不機嫌オーラを示す人がいる場合は、その状態を放置してはいけない。話をする機会を速やかにもち、何がその職員を追い込んでいるのか、原因の把握に着手する。プライベートなことで困難を抱えている、何らかの理由で心が不安定な状態に追い込まれているなど、原因が浮かび上がってきた場合は、解決に向けたアドバイスをする。