第3875冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

 

 

ともに働くすべての職員に対して、日頃から、敬意を込めた接し方、話し方を心がける。上から目線の言動は示さない。

 

自分とは異なる考え方や意見を述べる人を避けたり、嫌がったりする態度はどんなことがあろうとも示さない。異なる意見をポジティブに受け止めるという姿勢を貫く。

 

意見の合う人だけで自分の周りを固め、意見が合わない人を排除するような姿勢は決して示さない。すべての人を受け入れ大切にするとう姿勢をもち続けるよう心がけなければならない。

 

たとえ部下がミスを犯したときでも、強い叱責口調で相対するのは厳禁。相手の心は離れるだけで終わる。リーダーシップを発揮する立場になれば、叱責口調、命令口調などは、パワー・ハラスメントとの申し立てを部下から起こされる可能性がある点を心すべきである。

 

誰もが積極果敢に学ぶ環境づくりはリーダーの重要な使命である点を忘れないようにする。

 

他の職員の学ぶ意欲を揶揄したり、批判したりするような言動は示さない。

 

学ぶこと自体が目的化して、それを業務に活かすことができない職員がいる場合は、学びを実践に活かすことの大切さをわかりやすく丁寧に教えるようにする。

 

リーダーの仕事は、さまざまな意見を集約して、チームメンバーが納得できる合意形成を行っていくこと。これができなければ、チームの一体感は薄れるし、部下から「意見がまとめられない上司」とのレッテルを貼られ信頼も得られない。

 

会議の開き方、進行方法について勉強し、活発な意見交換と意見集約、整理の方法を着実に身につける。

 

部下から意見や提案がなされているときは、何を提案しているのか、頭のなかで強く意識しながら整理に努める。部下の発言を要約し、「今の発言は〇〇という提案でした」と伝えるのも効果的。司会者が要約することによって、他の職員も発言者の意見・提案をあたらめて確認でき、しっかりと脳裏に焼きつけられるようになる。

 

新しいことを提案したり、改善に向けた要望を示したりする場合には、「わかりきっていることだから詳しく説明するまでもない」という態度で臨まない。説明を尽くす姿勢を基本原則とする。

 

自分の考えと他者に示す前に、考えを整理する時間をしっかりともつ。その際には、①何を提案したいのか、伝えたいことを整理する。②なぜ、その提案が重要なのか、提案を受ける人が納得できるような根拠を明確にする。③聞き手(部下)にとってわかりやすく、心から納得できる伝え方を工夫する。

 

自分の提案に対して、部下から質問が投げかけられたときは、ポジティブな姿勢で受け止める。「楯突いている」ととたえるのではなく、職場をよくしたいと思っているからこそ質問してくれるのだ、という前向きな視点で受け止めて、丁寧に説明をする。

 

日頃から部下とのコミュニケーションを取り、今、各チーム、各部門、各部署では何が起こっているか、現状把握に努める。こうした取り組みを通して、担当チーム、部門・部署の状況を把握したうえでの発言であるということが相手にわかる存在になるよう心がける。