第3907冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

-多職種連携・地域連携・組織間連携力

 

多職種連携、地域連携、組織間連携は、今や時代のキーワードだ。社会福祉サービスの提供は、さまざあな職種が担っている。地域社会との連携も必要になるし、他組織・他機関との連携も欠かせない要素となっている。

 

リーダー職員は、常にこの三つの連携を意識しながら、組織全体・各部門・部署・チームの運営に携わっていかなければならない。また、次の点について、理解を深めることも忘れてはならない。

 

利用者の支援に関しては、どのような職種、専門職の人がどのような役割を担い、どのようなサービス提供を行っているか。

 

地域社会にはどのような社会資源があるか。どのような団体、組織があるか。どのようなスキルや知識などをもった地域住民がいるか。

 

密接な連携を必要とする機関・組織にはどのものがあるか。それぞれの機関・組織がどのような役割を担っているか。

 

地域強化を図るには、職員のスキルアップが欠かせない要素となる。能力強化が他の専門職のリスペクトの獲得につながるし、対等な立場での連携を強化していく礎となるからだ。地域住民、他組織・他機関に所属する人たちからの信頼獲得にもつながるからである。

 

同時に必要となるのが、業務レベルの向上による組織力の強化だ。自施設・事業所の強みを伸ばし、ブランド力を向上させる。強固なアピールポイントをもった組織となれば、地域社会からの信頼感も高まる。他組織・他機関との連携も図りやすくなる。

 

クオリティー・マネジメント力

 

質の高いサービスを提供する事業所となるためには、常に業務を点検し、レベルアップを図る姿勢を組織全体で共有していくことが必要になる。その牽引者としての役割を果たすのがリーダー職員である。

 

業務点検の際には、職員目線や事業所目線からではなく、徹底的に利用者の視点で業務チェックに取り組むという共通認識が必要になる。利用者あるいは家族の視点から考えたとき、提供されるサービスや行われている業務のなかに、改善が求められるところはないか、問題と指摘されるようなことはないか、チェックしていく。

 

明らかになった問題や修正点は、緊急性や重要度などを勘案したうえで、どれから取り組むか優先順位を決める。解決に向けて行動を起こすと決めた問題や修正点については、なぜそのような状況が生じているのか、原因を明らかにする作業に取り組む。そのうえで、改善計画を立案し、実施していく。