第3784冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

新たな職場で働き始めるというのは、新卒者はいうまでもなく、既卒者(あるいは社会人としての、経験が長い人)にとっても、重要な転機になる。この大切な機会を見逃してはいけない。採用後には、気持ちよく感じるあいさつとはどのようなものか、どのような動作、所作、作法が必要とされるか、教えるようにする。もちろん、よき手本を、リーダー職員が日々の業務のなかで、見せ続けなければならないのはいうまでもない。

 

 

すでに働いている職員が、適切なあいさつができていない場合は、組織全体で、あいさつの大切さを確認する。朝のミーティングなどの時間を利用して、お互いに目を合わせ、周りの職員にとびきりの笑顔であいさつするよう指示を出すのも有効な方法だ。大事なのは、個人にも、組織にも、よき習慣となるよう働きかけ、定着させるように、リーダー職員が率先垂範に努めることである。

 

 

同時に、職員に明示してほしいのは、どのような言動が他の職員を不安にするかという点だ。ともに働く職員を不安にしたり、活気や明るさを奪ったりしないようにするために、決して示してはいけない言動を具体例をあげて示すようにすうr。「他の職員を傷つけぬよう自分の言動に注意しましょう」と部下・後輩に働きかけるだけでは、効果はほとんどない。「よし、わかった。これからは気をつけよう」といった表面的な理解で終わる。

 

 

そうならないようにするために、どのような言動が人を傷つける可能性があるのか、明示することが必要になる。職員間のコミュニケーション・トレーニングの専門家として知られるリリアン・グラスの言葉を借りれば、どのような言動が、他者の心を傷つける“有毒”なものになる可能性があるか、明確な形で示すことが重要なポイントになる。人を傷つけるものとなる言動は、次の通りだ。この表に示される言動は、「我が職場では厳禁。絶対に示してはいけない」というメッセージを部下・後輩にことあるごとに示すようにする。