第3906冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

-セルフ・マネジメント力

 

セフル・マネジメント力とは、自己管理に関する総合力を指す。この力には、目標を設定し達成していく力、時間を有効に使う力などが含まれるが、リーダー職員にとって最も重要になるのは、自己の感情を常によい状態に維持していく力だ。どんな状況にあろうとも、自己の感情をうまくコントロールしながら、最高のパフォーマンスが示せるようになることが求められる。

 

リーダーの立場になれば、業務改善、人材育成、リスク・マネジメント、組織全般のマネジメントなど、多くの責任を担い、果たしていくことが要求される。それまでのキャリアステージでは経験したことがない、プレッシャーとストレスにさらされる立場になる。たとえどのような逆境にさらされようとも、リーダーは使命達成、業務遂行という責任から逃れることはできない。

 

こうした状況のなかで、沈着冷静に責任を果たしていくには、プレッシャーやストレスとうまく付き合うためのスキルや手法の習得が必要になる。いまや、リラクゼーションやストレス・マネジメントの手法は、星の数ほど紹介されている。多くの選択肢のなかで、自分にとって、心落ち着きにつながると思うものを選択すればよい。ジョギング、スイミング、筋トレ、ヨガ、瞑想、マインドフルネス、その他趣味的活動などのなかで、自分に一番しっくりいくものを選べばよい。

 

 

チームワーク力

 

チームワーク力とは、所属メンバーが普通の目標達成に向け一致団結して行動を起こせるよう導いていく力を指す。この力を発揮するために、リーダーが行わなければならないのは次の二点だ。

 

第一は、目標の明確化。どのような目標を達成するために働いているのか、具体的目標を指す。上級管理職であれば、中長期的目標を強く意識し、その達成に向けて各部署が何をしていく必要があるか、意識づけが必要だ。中間管理職は中長期的目標に目配りしながら、短期目標や当面の課題を明示し、達成に向けたサポートを行っていくことが必要になる。チームリーダーや主任の場合は、プレーヤーという形で、一致団結して短期目標、当面の課題達成に向けて行動を起こすことになる。

 

第二は、達成に向けたサポート。目標達成を妨げる何らかの要素がある場合には、原因を特定したうえで、適宜、必要なサポート策を講じていく。職員間の対立が原因の場合は、相互理解に向けた話し合いの場をコーディネートし、解決を図っていく。