第3904冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

-権利保障推進力

 

利用者の権利は、行動を起こして保障するためにある。その先頭に立つのが、指導的立場にあるリーダー職員である。

 

権利保障に向けて、日々邁進する職員を育てるためのポイントは次の通りである。

 

具体的にどのような権利を守っていくために働くのか、繰り返し伝え、職員の脳裏に焼きつかせるようにする。

 

「質の高いサービスを受ける権利」「個別ニーズに基づく支援を受ける権利」「自己決定・自己選択権」「プライバシーに関する権利」「一人の人間としてリスペクトされる権利」などを保障することが、職員の使命であるという点を繰り返していく。

 

実践リーダーであれば、これらの権利の保障に向けて、自らよき手本を見せていく。常に、自分自身もこれらの権利保障に向けて、よき実践を心がける。

 

同時に、心がけなければならないのは、部下・後輩が安心して働ける職場環境の整備だ。あらゆる形態の権利侵害は、働きにくい職場環境のなかで発生することが多い。

 

だから、リーダーはすべての職員に安心感を提供する職場づくりに力を尽くすと心に誓う必要がある。

 

「いつも自分が守られている」「大切にされている」「正当に評価してもらっている」「公平な扱いを受けている」「いつも頼りにできる人がいる」。

 

職員がそう実感できる環境づくりが、権利保障の推進につながっていく。

 

モチベーション・マネジメント力

 

職員が元気に、高い志をもって働ける職場環境を作っていくこと。これはリーダーの重要な使命だ。そのためには、自分自身が強い意欲と志をもって働く姿勢を維持し続けることが必要となる。

 

高いモチベーションをもって働くうえで重要になるのは、常に、自分自身に向き合うこと。職業人としての動機を確認する。同時に、自分は今リーダーとして働く職場で、「何を実現したいのか」、志を明らかにする作業に定期的に取り組む。

 

自分をよき仕事へと駆りたてる動機と志が明確になれば、高いモチベーションが維持しやすくなる。

高い意欲と志を示すリーダーの姿は、部下・後輩にもよき影響をもたらす。職員に安心と信頼、そして、困難なことにたち向かう勇気を与えてくれる。それは、高い志をもって働く職場づくりの源泉となる。