第3858冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

 

人の話を聞かない(自分が絶対善だと思い込んでいる)

人の話に耳を傾けるのは、福祉専門職の基本的スキルであり必須の姿勢であるにもかかわらず、それがまったく身についていない。このタイプの人に共通しているのは、「自分が絶対に正しい」と思い込む傾向が強い点。自分とは異なる意見には一切、耳を傾けなくなる特徴もある。

 

人の話を聞かず、自分を絶対善だと信じて疑わない傾向にある人は、その他の特徴として、次にように極めて危うい側面をあわせもっている場合もある。

 

  • 思い込みが極めて激しい。
  • 極端かつ過激な考え方を有している。
  • 人間観、高齢者観、子ども観、支援観、介護観、保育観などが、明らかに偏っており、福祉倫理から大きく逸脱した言動を繰り返す。

 

他者からの注意を謙虚に受け止められない

業務手順や方法、接遇などに問題があると他者から指摘されると、即座に“攻撃”だと解釈してしまい、受け止められない。自分に対して何らかの「悪意をもっている」と解釈するため、指摘されるような事実が自分の行為のなかになかったのか、振り返ることもできない。

 

指摘されていることが的を射ており、自分自身も不適切な行為をしていると自覚している場合であっても、素直に自分の非を認めるわけではない。一人でも同じような行為を示す仲間がいる場合は、「なぜ私だけを注意するのか!」と猛烈に反発する姿勢を示す。実はリーダー職員は、同じような行為をしている他の職員に対しても他の職員から見えないように毅然たる態度で注意しているのに、それを知らない職員は「私だけを標的に注意している」などと批判や糾弾に終始し、自己の行為を決して直視しようとしない。