第3652冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか

 

 

 

-なりたいリーダー像を引き出す

 

 

これらの〝なりたいリーダー〟のイメージは、彼らが私の研修に出る前から、強く抱いていたわけではない。研修で、問いかけられて引き出されたものだ。講師である私からの問いかけを受けて、

 

 

「一体、私はどんなリーダーになりたいのだろうか」

 

 

「私はどんなリーダーになることを目指しているのだろうか」

 

 

と自問自答する。こうした取り組みを通して、内に秘めていた思いが顕在化されたのである。

 

 

私が研修の際に、「どのようなリーダーを目指しているますか」という問いを投げかける前理由はまさにここにある。心の奥に隠れており、本人さえも自覚していなかった、〝なりたいリーダー〟のイメージを引き出すためだ。自分はリーダーとして何を目指すのか、意識化してもらうためである。

 

 

周りにいる職員によい影響を与えるリーダーとなるためには、スティーブン・R・コヴィーがその著『7つの習慣』のなかで示したように、まず、自分の内面と向き合い、自分自身をよき方向へと変えていくための一連の行動が必要になる。コヴィーはこれをインサイド・アウトという言葉で表現している。自己の内部(インサイド)にあるものの考え方、とらえ方、価値観などを確認し、正しい方向に変えていくこと。そのうえで、自己の行動をよき方向に変えていくこと。これが、他者からの信頼獲得につながる。自己の外側(アウトサイド)に位置する他者やチーム・組織によき影響を与え、行動をあるべきよき方向に変えていく原動力となっていくのである。