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第3590冊目「権力」を握る人の法則
-評判は自己増殖する
評判には自己増殖的な面がある。それは、評判の主にとって有利に働くこともあれば、不利に働くこともある。たとえばシスコの事情開発部長を務めたマイク・ボルビの場合には、有利に働いた。ニューヨーク・タイムズ誌の記事には次のように書かれている。
「ボルビは仕事で次々に成功を収め、CEOをはじめ経営陣の信任を得た。やがて社外でも評判が高まり、メディアなどでも取り上げられるようになった。社内での影響力が拡大すると同時に、社外の有力顧客に対する発言力も強まった結果、彼の影響力は自己増殖的に拡がっていった」
評判は、現実である必要はない。ボルビは、たしかにもともと有能だった。だが評判の力を背景に、より大きな事業を成功させることができた。あるいは大きな事業を成功させたいから、評判はますます高まった。ここでのポイントは、まず評判の形成につながるような行動にベストを尽くすことである。そして成功しても、自分で売り込んではいけない。自然発生的に、あるいはPRの専門家を使って評判が形成され、メディアに取り上げられるようになれば、大きな影響力を手にすることができる。