第3577冊目「権力」を握る人の法 ジェフリー・フェファー (著), 村井 章子 (翻訳)

 

 

 

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

 

 

 

編集者のアトーサ・ルビンシュタインである。彼女は一九九三年に女性向けファッション誌「コスモポリタン」で、アシスタントとしてキャリアをスタートさせた。そして、五年間で主任に昇進。ハースト・マガジンの社長キャスリーン・ブラックの後ろ盾もあって、若年層向け「コスモガール」を一九九九年に創刊し、二六歳にして編集長となる。一〇〇年以上におよぶハースト・コーポレーションの歴史の中でも、最年少の編集長である。二〇〇四年にはコロンビア大学の「最も活躍している歴代卒業生トップ二五〇」に選ばれるなど、知名度は高い。ルビンシュタインによれば、若くして成功したのはイメージ戦略が成功したからだという。自身が近しい人にこう話している。

 

 

「私は、女優なの。ビジネスをするときの私は、女優としてふるまっている。たいして才能はないけれど、自分の役割を演じきる自身はあるわ。周囲が期待するファッションに身を包んで、期待通りの役割を演じる。ポニー(「コスモポリタン」誌の編集長)はファッショナブルな編集長が好きだから、私も髪型や服装も変えて、エキゾチックなイメージを演出した。おかげで、本来は黒子であるはずの私が自ら雑誌の中に登場するようになった。すると今度はキャシー(ハース・マガジンの社長)が、私を「コスモポリタン」の代表として、あちこちのイベントやパーティに送り込んでくれたというわけ」