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第3379冊 プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか P・F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)
プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
- 作者: P・F.ドラッカー,Peter F. Drucker,上田惇生
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2000/07/01
- メディア: 単行本
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-満場一致に注意せよ
選択肢のすべてについて検討を加えなければ、視野は閉ざされたままとなる。成果をあげるには、教科書のいうような意見の一致ではなく、意見の不一致を生み出さなければならない。満場一致を求めるようなものではない。相反する意見の衝突、異なる視野との対話、異なる判断の間の選択があって、初めてよく行いうる。
したがって、決定においてもっとも重要なことは、意見の不一致が存在しないときには、決定を行うべきではないということである。
スローンは、GMの最高レベルの会議では、「それではこの決定に関しては、意見が完全に一致していると了解してよろしいか」と聞き、出席者全員がうなずくときには、「それでは、この問題について、異なる見解を引き出し、この決定がいかなる意味をもつかについて、もっと理解するための時間が必要と思われるのは、いつものようにさらに検討することを提案したい」と言ったそうである。
スローンは、直感で決定を行うことはしなかった。意見は、事実によって検証すべきことを強調していた。しか、一つの結論からスタートし、それを裏づける事実を探すようなことは、絶対に行ってはならないとしていた。その彼が、正しい決定には適切な意見の不一致が必要であるとしていた。