第3370冊 プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか P・F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)

 

 

 

 

地位や仕事を問わず、時間を要する手紙や書類の四分の一は、くず箱に放りこんでも気づかれもしない。そうでない人にお目にかかったことがない。

 

 

第二に「他の人間でもやれることは何か」考えなければならない。

 

 

毎晩会食していた社長は、さらに三分の一はほかの幹部に任せられることを知った。参席者の名簿に会社の名前が出ていればよかった。

 

 

通常使われている意味での権限委譲は間違いであって、人を誤らせる。しかし、自らが行うべき仕事を委譲するのではなく、まさに自らが行うべき仕事に取り組むために、人にできることをまかせることは、成果をあげるうえで必要なことである。

 

 

第三に、自らがコントロールし、自らが取り除くことのできる時間浪費の原因を排除しなければならない。これは、自らが他の人の時間を浪費しているケースである。簡単に分かる微侯はない。しかし発見のために簡単な方法はある。聞けばよい。「あなたの仕事に貢献せず、ただ時間を浪費させるようなことを、私は何かしているか」と定期的に聞けばよい。答えを恐れることなくこう質問できることが、成果をあげる者としての条件である。

 

 

もちろん、自分の仕事の仕方が、他の人の時間の大きな浪費につながっているケースもある。