第3369冊 プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか P・F. ドラッカー (著), Peter F. Drucker (原著), 上田 惇生 (翻訳)

 

 

 

 

 

-仕事を整理する

 

 

時間の使い方は、練習によって改善できる。だが、たえず努力をしないかぎり、仕事に流される。時間の記録の次に来る一歩は、体系的な時間の管理である。時間を浪費する非生産的な活動を見つけ、排除していくことである。そのためにあh、時間の使い方についての自己診断のための、いくつかの問いかけを自らに対して行っていく必要がある。

 

 

第一に、する必要のまったくない仕事、すなわち、いかなる成果も生まない完な時間の浪費であるような仕事を見つけ、捨てなければならない。そのような浪費を見つけるには、時間の記録に出てくるすべての仕事について、「まったくしなかったならば、何が起こるか」を考えればよい。「何も起こらない」が答えであるならば、明らかに結論は、その仕事をただちにやめよということになる。

 

 

やめて問題のないことをいかに多くしているかは驚くほどである。楽しみでも、得意でもなく、しかも古代エジプトの洪水のように毎年堪え忍んでいる行事、スピーチ、夕食会、委員会、役員会が山ほどある。ここでなすべきことは、自らの組織、自分自身、あるいは貢献すべきほかの組織に何ら貢献しない仕事に対しては、ノーということである。

 

 

毎晩会食していた社長がそれらの会食を分析したところ、三分の一以上は、会社から誰も出席しなくても構わないことが分かった。遺憾ながら、招待のいくつかは、参席がそれほど歓迎されていないさえ分かった。招待は礼儀にすぎなかった。欠席するものと思われており、参席することによって、かえって困惑を抱いていた。