第3212冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 仕事の効率は「最後の5分」で決まる


「ちょっといいかい?」


日々の仕事を進めていく中で、上司から打ち合わせに呼び出される機会が増えてくると思います。


上司とのマンツーマンでの打ち合わせもあれば、プロジェクトチームに所属したときなどは、複数の先輩とテーブルを囲むこともあるでしょう。


上司や先輩は、社内にいるままのリラックスした状態で打ち合わせに臨むことがあるかもしれません。しかし、新人であるあなたは、打ち合わせに手ぶらで臨むことだけは避けてください。


人間は必ず忘れてしまいます。記憶ほど曖昧なものはありません。これは新人であろうとベテランであろうと、変わらないと思っています。


記憶だけに頼っていると、誤りや認識違いは必ず起こります。メモやノートを持参し、必要だと思われることは確実に書き取ってください。


これを実践するという前提のもと、打ち合わせが終わったあとにもう一つやるべきことがあります。


自分のデスクに戻ってすぐ、書き取ったメモをもとに、打ち合わせで確認された合意事項をまとめるのです。そして、まとめたものを書き出し、上司に見せながらこう言うのです。


「先ほどはありがとございました。いただいたアドバイスにしたがって、これから3つのことに取り組んでいきます。方法はこうです。もし、何か考え違いをしているようでしたら、ご指摘ください」


人間の記憶は曖昧だと言いましたが、それはアドバイスをもらったあなたの問題だけではありません。口頭でアドバイスを送った上司にとっても、曖昧さを回避する助けになるはずです。


「いやいや、そうじゃないんだよ。これをやってほしんだ」


上司の要求を過不足なく理解するのがベストです。でも、その時点で上司に軌道修正してもらうことも、限りなくベストに近いと僕は思います。確認せずに誤った方向へ進んでしまい、しばらくしたあとに慌てて修正しても、それまでに費やした何時間もの時間は戻りません。


合意したことをまとめ、書き出し、確認する。仕事の最後に投資する5分間を惜しまないことで、仕事の方向を誤るリスクから解放されます。そればかりか、何時間という時間を節約する効率性にもつながるのです。