第3211冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 単純作業こそ「仕組み化」「ゲーム化」


単純作業も「何のためにやるのか」という目的を意識して取り組めば、面白くなると言いました。方法はそれだけではありません。「仕組み化」もその一つです。


「このデータをエクセルに入力してくれ」


上司が指さしたのは、資料の束です。


ここから必要なデータだけを拾って、表計算ソフトのエクセルに入力をする。資料の内容を一つ一つ確認しながら、数字をピックアップして、正しく入力しなければなりません。


単に入力することだけを考えて取り組むと、辛くて面倒な仕事に思えてなりません。


このような場合、データ入力をし終わったあとの使い方を想像してみてはいかがでしょうか。


まずは資料とにらめっこ。何のデータを入力するのか、じっくり観察します。


円グラフなのか棒グラフなのか。


他業界やライバル企業の数字との比較もありそうか。


そう考えながら入力をしていると、単純作業でもデータ入力でも、違った顔を見せるものです。


また、数字そのものを負いながらデータ入力をしていれば、時系列でどのような数字の変化があるのか、規則的なのか不規則なのか、個々のセルに入力する数字も、並べて眺めてみると何かしらの傾向や大局がつかめることもあります。


もしこの仕事が膨大で単調で退屈な作業だと感じたら、次にデータ入力を担当する人が効率的に作業を行うためのパターンを考え出してください。入力する前に、数字にマーカーを引いておく。単位や品目などをあらかじめ打ちこんでおいたテンプレートを用意する。こんな具合に、いくらでもアイデアはあると思います。