第3211冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 何があっても遅刻はするな


台風、雪、車両故障、人身事故、線路内に人が立ち入った。


社会人になって毎日通勤をしていると、こうした理由から起こる電車の遅延に巻き込まれることがあります。車内やホームには、携帯電話を片手に遅刻の連絡を入れる人が大量に発生します。


予期せぬ大規模災害時はともかくとして、このような状況の中、その路線で通勤している新人のあなただけが遅刻前に出勤していたらどうでしょう。上司や先輩は「今年の新人は時間にきっちりしているやつだな」という印象をもつのではないでしょうか。


入社1年目は、どんなことがあっても遅刻してはいけません。できるだけ欠勤もないよう細心の注意を払うべきです。


どんなに早く家を出ても、電車の遅れが発生しないとは限りません。家族に突発的なアクシデントが起こることもあるでしょう。やむを得ない事情があるときを除いては、不慮の事態にも対応できるよう、時間に余裕を持って行動することを心がけてください。やむを得ず遅れてしまうような場合には、必ず電話で連絡を入れるようにしてください。携帯からメールを送っただけでは、新社会人としては十分な連絡になりません。寝坊は言語道断。上司に誘われたからといって、二日酔いで起きられなかったなどという言い訳も論外です。上司が何事もなかったように出勤したいたら目も当てられません。


新卒入社や転勤初年度の社員に対して、受け入れる側が最初に持つのは、優秀な人物かどうかという視点ではありません。


「社会人として当たり前のことを、ちゃんとやれる人物か」


人物を値踏みする目が注がれていることを強く意識してください。最初が肝心です。新人時代の印象でその後のキャリアが決まると思って行動してください。


当たり前のことができない人物という、悪い意味で目立つような行動をしてはいけません。遅刻をする新人、よく休む新人などというマイナスイメージを持たれてしまうと、それを払拭し、プラスイメージに覆すのは非常に困難です。


あなたがいくら優秀で高い能力を備えていても、それを発揮する機会を得ない限りは評価してもらえません。上司や先輩に仕事ぶりを見てもらう前に、だらしのないイメージを備えつけてしまっては、周囲からの信頼を勝ち得ることはできないのです。


だらしのない新人にはこの仕事を任せるわけにはいかない。別の人間にやってもらおう。たった一度の遅効によってチャンスを逃し、あなたの能力を発揮する機会さえ奪われてしまうこともあるのです。