第3146冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • まばたき、まぶたの震え


興奮したり、困ったり、イライラしたり、心配したりすると、まばたきが速くなり、安心すると元の速さに戻る。何度もパチパチまばたきする動作は、心の葛藤を反映するものだ。たとえば誰かにいやなことを言われると、まばたき震える。同じく、会話中に自分の言いたいことをうまく言えない場合にも、まばたきが震える場合がある。まぶたの震えは、何かをうまくやり遂げたい、または情報を伝えたり受け入れたりしたいと、必死で取り組んでいる気持ちの表れだ。英国人のヒュー・グラントは、オロオロしたり苦戦したりと、困っているときの表情を作るのに、おそらくほかのどの俳優より頻繁にまぶたの震えを利用している。


まぶたに注目
相手のまぶたの震えを観察していれば、心を読んで、自分の行動をうまく調整するのに役立つ。たとえば親睦会や仕事の会議で、社交上手な人は参加者のまぶたの動きで快適に感じているかどうかを見分ける。まぶたが震えている人は、何か困ったことがあるにちがいない。このノンバーバルはとても正確で、人によっては問題が起きた瞬間に始める。たとえば、会話中に相手のまぶたが震え始めたら、話題が不緩当または受け入れがたいものになったこを示しているから、おそらく話を変える必要があるだろう。このノンバーバル・シグナルが当然現れれば、重大事なので、ゲストに快適に過ごしてもらいなら無視してはいけない。まばたきの速さやまぶたの震えは人によって違うため――特に新しいコンタクトレンズを調整中の場合など――相手の考えていることや感じていることを読み解くには、急に始まったり止まったりするような、速さの変化に注目する必要がある。


ノンバーバル・コミュニケーションを学ぶ学生はよく、ニクソン大統領が有名な「私はペテン師ではない」という弁明をしていたとき、まばたきがどれほど速くなったかを指摘する。実際には、人がウソをついているかいないかに関係なく、ストレスが感じるとまばたきが速くなることが多い。私はクリントン大統領が宣誓証言をしているときのまばたきの速さを調べてみたが、ストレスのせいで、いつもの五倍になっていた。まばたきが増えるのはウソをついている証拠だと言いたくなる気持ちがわかるが、私はそうはいめたくない。人前で質問されたときなど、どんなストレスによっても、まばたきは増えることがある。