第3109冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 ジョー ナヴァロ (著),‎ マーヴィン カーリンズ (著),‎ 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • なだめ行動を利用して、もっと効果的に人の心を読む


ノンバーバルのなだめ行動によって人について知ろうとする場合、以下に示すガイドラインに従う必要がある。

  • なだめ行動が生じたことに気付く。ここまでで、主ななだめ行動はすべて説明した。これらのボディシグナルを見逃さないように注意深い努力を続けるなら、人とのやりとりの中で、どんどん簡単に気付けるようになるだろう。
  • 各人について、なだめ行動の基準を定める。それによってその人のなだめ行動が増えたり強まったりするのがわかり、適切に対応できる。
  • 相手がなだめ行動をしているのに気付いたら、その場で「その行動を起こさせたのは何だろう」と考える。その人が何について不安を抱いているのはわかった。ノンバーバル情報を収集する仕事では、次に、その何かとは何かを見つけ出す必要がある。
  • なだめ行動はほとんどいつも、ストレスを生む出来事が起こった後で、その人の気持ちを静めるために使われていることを理解する。そのために一般的に、人がなだめ行動をするなら、その前に何らかのストレスを生む出来事や刺激があって、なだめ行動を引き起こしたと考えられる。
  • なだめ行動を、それを引き起こしたストレスと結びつけることができれば、周囲の人たちをよりよく理解するのに役立つ。
  • ある状況のもとでは、実際に何かを言ったり、したりして、それが相手にストレスになるかどうか(なだめ行動が増えるかどうか)を見極めると、相手の考えていることやしようとしていることがもっとよくわかる。
  • 体のどの部分でなだめ行動をしているかに注目する。ストレスが大きければ大きいほど顔や首に触れる動作が増えるので、なだめ行動の場所を見極めるのは重要だ。
  • ストレスや不安感が大きいほど、その後のなだめ行動が続く可能性が高くなることを覚えておく。


なだめ行動は、相手が快適か不快かを見極める便利な方法だ。ある意味では、辺縁系反応の「脇役」とも言えるのが、人の気持ちや本当に感じていることについて、実に多くを教えてくれる。