第3035冊目 心を上手に透視する方法 トルステン・ハーフェナー (著),‎ 福原美穂子 (翻訳)


心を上手に透視する方法

心を上手に透視する方法

  • 「声」に気とつけると、もっとうまくいく!


六六ページで紹介したのように、伝達される情報のうち、「話の内容」が占める割合は七パーセントにすぎにあ。三八パーセントを占めるのは「声」なのだ。


この調査に関して補足しておきたい。これは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアルバート・メラビアン教授が一九六七年に調査を行い、一九七一年に結果を発表したものだ。その際、別々に行われた複数の調査結果を、かなり単純化(簡略化)した。そして後にメラビアン本人が、彼が行った調査により発表した結果は、コミュニケーションに関する普遍的な認識ではないと強調していた。したがって数値を見る際には注意しなければならない。


それでもこの調査結果は、身体言語のとアクセントがどれだけ大事かということをよく示している。非言語のシグナルが九三パーセントなのか、八〇パーセントなのかという数値の問題は、ここではあまり重大なことではない。重要なポイントは、私たちが言語のシグナルをうまく感じ取って、適切に解釈できるということだ。


声でできることはあまり多くはないが、それでも侮ってはいけない。僕のボイストレーナーであるカリン・フォン・オストホルトは、いつも僕に「ときには速く、ときにはゆっくりと、ときには大きな声で、ときには静かな声で、これを基本に考えるといいわよ」と言った。


実際、アクセントと声については、次のことに気をつけるといい。


速さ……速いか、ゆっくりか
音域……高い声か、低い声か
声の強さ……声の強さが普通か、強すぎるか
調音……一つひとつの言葉が明瞭に発音されているかどうか
リズム……間違ったところで間をおいていないか


発音がはっきりしない人と、ゆっくりとした話し方で一語一語、正しいアクセントで話す人と、どちらのほうが緊張しているという印象を与えるだろうか? それは明らかだろう。


声の性質について注意を向け、自分でも意識的に活用するようにしてほしい。その際はあなたの直感力が、大きな助けとなってくるだろう。


言い方が肝心だ!