第2965目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


その5年間は、スピーチの原稿を書くたびに、すべてのページのいちばん上に太字で殴り書きをした――「息をしろ!」。今も新しいスピーチを練習するときは、原稿の数ページおきに「間をおいて、息をして、ゆっくり」を書き込んでいる。


家やオフィスで練習しているときは必要のない指示だと思うかもしれないが、ステージに立つと状況は何もかも変わる。頭がカッとなって、アドレナリンが血管を駆けめぐり、脳がフル回転する。自分のまわりがすべてスローモーションに見えるほどだ。脳がフル回転を続けると早口になりやすいが、聴衆は普通のスピードで動いている。


聴衆の1人にあらかじめ頼んで、ゆっくりしゃべるようにという合図を出してもらうのもいい。話すテンポに気をつけることはとても有効だ。ゆっくりしゃべるほど、慎重で思慮深く聞こえ、人々はあなたの話により注意を払う。