第2945目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


到着すると、組織の幹部のジョージに出迎えられました。私たちは会議室に通され、お茶を飲みながら雑談をしました。私はジョージに注目しました。テーブルの向かい側に座っている彼は、脚を組んで身を乗り出しています。私は少しずつ、彼と似たような体勢を取りました。すると、顕著な効果があらわれました。ジョージの気分が高揚し、早口になって、会話に熱中するようになったのです。私も彼の興奮とペースに合わせましたが、とても自然で簡単にできました。


間もなく責任者のナサンが現れました。彼が入ってきた瞬間に、部屋の中のエネルギーが変わるのを感じました。私はそわそわして、緊張してきました。ナサンはテーブルから離れて座り、椅子に深くもたれ、ジョージとは異なるかたちで脚を組みました。そこで、今度は少しずつナサンの真似をしたのです。テーブルから少し離れ、椅子の背もたれ、脚を組みなおしました。


ナサンはゆっくり、慎重にしゃべるので、私もそれに合わせました。彼がときどき両手を振って重要な話を強調すると、それも真似しました。やがて彼は横を向き、片手を伸ばしたてテーブルに乗せました。