第2176冊目 ユマニチュード入門 本田 美和子 (著), ロゼット マレスコッティ (著), イヴ ジネスト (著)


ユマニチュード入門

ユマニチュード入門

  • 「あなたに会いに来た」というメッセージ


ケアの準備には多くの時間をかけないことを述べてきましたが、ここで具体的に何を行うかについて説明しましょう。


出会いの準備の後、すぐに「○○さん、お風呂ですよ」などと、自分がこれから行おうとしていることをいきなり申し出てしまいがちです。しかし、ユマニチュードではまず「○○です。お話をしに来ました。ご一緒してもよろしいですか?」などと、あなたと話をしに来た、あなたに会いに来たというメッセージを伝えます。


もちろん、ここではユマニチュードの「見る」「話す」の技術を存分に使い、笑顔で、やわらかいトーンで話しかけます。認知機能がかなり低下しちえる人の場合には、大げさなくらいの笑顔と声がけになることもあります。ユマニチュードを知らない他のスタッフからは、「大げさすぎる」「不自然」と批判されることがあるかもしれません。でも、「相手の認知機能に態度に合わせた態度をとること」はプロの技として必要なのです。