第2110冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)
- 作者: オリビア・フォックス・カバン,矢羽野薫
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2013/12/10
- メディア: 単行本
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- プレゼンス
会話の途中で、集中しているのは自分の半分だけで、もう半分はほかのことを考えているように感じたことがあるだろうか。相手はそれに気づいていただろうか。
人とのやりとりに完全に集中していないときは、視線が泳いだり、表情の反応が一瞬だけ遅れたりしている可能性は十分にある。人は最短で0.017秒で表情を読み取ることができる。あなたの反応がほんの一瞬遅れただけでも、話している相手は気づくだろう。
私たちは、話を聞いているふりができると思っている。意識していれば、頭の中で別のことを考えていてもだいじょうぶだと思っている。だが、そうではない。やりとりに本当に集中していなければ、相手は気づく。あなたのボディランゲージが発信するメッセージを、少なくとも無意識のレベルで読み取って反応するのだ。
誰かと話しているのに、相手は本気で聞いていないと感じたことは誰にでもあるだろう。相手が聞いているふりをそつなくこなしていれば、あなたは怒るところまではいかないだろう。それでも、相手は完全に集中していないようだ。そんなときあなたはどう感じるだろうか。無視されたと思うか? 困惑するか? かなり不快になるか? ハーバード大学の講義で、ある学生がこんなふうに言った。「つい最近、私と話をしている女性が、本当はそこに存在しないかのように感じました。私は怒りを覚え、彼女にとって大切な何かより、自分が劣っている気がしたのです」
プレゼンスが欠けていることは、目に見える表情やしぐさで伝わるだけでなく、本気で向き合っていないと相手に思わせかねず、感情的に厄介な結果を招きやすい。裏がある人だと思われると、信頼や絆を築き、心を通わせ合うことは、ほぼ不可能だ。そして、カリスマにもなれない。
プレゼンスは、学習して身につけられるスキルだ。絵を描くことやピアノを弾くことなど、さまざまな能力と同じように、忍耐強く練習すれば伸ばせるスキルなのだ。プレゼンスを示すには、目の前で起きていることをつねに意識するだけでいい。つまり、頭の中でほかのことを考えるのではなく、目の前のことに注意するのだ。