第2312冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)


では、このスキルを日常生活でどのように実践できるだろうか。たとえば、オフィスで同僚から意見を求められたとしよう。あなたは次の打ち合わせまで数分しか時間がなく、話をしていたら間に合わないかもしれない。

同僚が話をしているあいだも次の約束を気にしていたら、不安になって集中できないだけなく、心ここにあらずという印象を与えてしまう。同僚は、あなたは自分の問題をあまり気にかけていないから、真剣に聞かないのだろうと思うかもしれない。


このときプレゼンスを示す3つのテクニック――音や呼吸、つま先に一瞬だけ意識を集中する――のいずれかを実践すれば、目の前のことに集中力を取り戻せるだろう。あなたが本気で集中していることは、あなたの目や表情に表れ、相手はそれに気づく。一瞬でも完全なプレゼンスを示せば、相手は敬意を払ってあなたの言葉に耳を傾けるだろう。完全なプレゼンスはボディランゲージにも表れ、カリスマを高めるしぐさにつながる。


カリスマを発揮できるかどうかは、ひとつひとつのやりとりに向き合う時間の長さではなく、プレゼンスをどのくらい示せるかで決まる。完全なプレゼンスを示すことができれば、あなたは「その他大勢」ではなくなり、相手の記憶に残る。5分間の会話でも完全なプレゼンスを示せば、相手を感動させ、感情的な絆が生まれる。あなたが一緒にいる人々はあなたの完全なプレゼンスを感じ、あなたにとってその瞬間、自分が世界でいちばん大切な存在だと思える。