第2080冊目 ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫) ジョン グレイ (著), John Gray (原著), 大島 渚 (翻訳)
ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)
- 作者: ジョングレイ,John Gray,大島渚
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: ペーパーバック
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- もっと抵抗感なく男性に「YES」と言わせる法
第一の段階は、彼があなたのためにいつもやってくれること――とくに、重い物を運んでもらったり、壊れたり故障したものの修理など、家の内外の掃除、整理整頓とかいった細かい雑用――をもっと快く引き受けさせる賢い要求術を完璧に自分のものとする。
まず心得ておかなければならない重要なコツは、彼がすでに何度もやってくれたことがあるからといって、それを「当然のことだ」というような調子で頼まないことである。そして、彼がやり終えてくれた時には、大いに感謝の気持ちを表すようにする。けっして、彼のほうから自発的にやってくれることを期待してはならない。
この段階では、彼に無理なことを要求しないことが重要である。彼がたぶん、ごく自然にやってくれている細かな雑用に焦点を絞って頼むようにしよう。その際には、絶対に高飛車な命令口調にならないように気をつける。そうすれば、彼はあなたから用事を頼まれても不快にならず、そのように下手に出た口調で頼まれること自体に慣れて抵抗感なくやってくれるようになる。
彼が、あなたの頼みを命令されているかのように受け取ってしまうと、自分ではどんな言葉を選んで丁寧な言い方をしたつもりでいても、思いもよらない誤解をされてしまうことがある。彼は、これまでの自分の実績をあなたが認めていないと受け取ってしまうのだ。だから、高飛車な命令口調で有無を言わさずい用事をさせようとしているのだと感じとる。
これでは彼に抵抗感を植えつけてしまうばかりである。そして、あなたの愛情を信じなくなっていく。この誤解は、あなたがこれまでの彼の実績を認め、感謝の意を表すまで大きくなる一方である。どんなに頼んでも快くやってはくれず、しだいに何もしてくれなくなってしまう。
こうして彼は、知らぬ間にあなたによって(それ以前に、すでに彼の母親によって経験ずみかもしれないが)用事を頼まれた時には、反射的に「NO」と答えるように条件づけされていく危険性がある。したがってこの第一段階では、あなたの要求に対して彼が積極的に「YES」と答えるように条件づけをしていこうというわけである。
男性は、自分のやったことが「当然のこと」のように受け取られず、あなたを喜ばせ、感謝されていることがわかると、あなたからの頼みに対して可能な限りの力を尽くして積極的に応じてあげようとする。そして、自発的に自分のほうから手伝いを申し出てくるようになるのである。
しかし、はじめからこのような反応を期待してはならない。けっして高飛車な口調で頼み事をせずに、下手に出ながら忍耐強く条件づけをしていくうちに徐々にそうなっていくのである。
彼がすでに実績を示してくれているところへの要求から始める理由はほかにもある。あなたは、まず何よりも、相手が確実に自分の要求を聞き入れてくれ、積極的に応じてくれることを通じて要求術の基本を身につけていく必要があるからだ。何事も簡単なことから始めて基本をマスターしていくことは、上達の鉄則である。
- ここを気をつければもっと気軽にひと肌脱いでくれる
1 タイミングを選ぶこと――進んでやろうとしていることに対して、わざわざ請求しないように気をつけよう。たとえば、もし彼がゴミを出そうとしている時に、あなたから「ねえ、悪いけどゴミを捨ててきてくださらない?」などと頼まれれば、どんなに丁寧な言い方をされてもカチンとくるだろう。せっかくやろうとしているのに、そんなことをしてくれるわけがないと決めつけられ、命令されているような気になってしまう。ことほど左様にタイミングは重要である。また、彼が何かに熱中している時は、あなたの頼みにすぐ応えてくれることを期待してはならない。
2 命令するような態度・口調で頼まない。頼み事はけっして命令ではない――もし、あなたが憤りやいらだちを込め、高飛車な命令口調で相手に何かを頼んだら、たとえどんなに注意深く言葉を選んでも、彼はおそらく「NO」と答えるだろう。
3 用件は短く。説明が長いほど抵抗感が増す――彼がなぜあなたを助けなければならないのか。その理由をいくつもクドクドと並べ立てないようにすること。彼には、いちいち確認する必要がないと心得ておくべきである。
あなたの説明が長くなればなるほど、彼は抵抗感を募らせていく。あなたの頼みを正当化するための長い説明は、彼にあなたから少しも信頼されていないのだという気持ちを起こさせてしまう。そうなれば、彼はちっとも一生懸命になってくれず、いい加減にお茶を濁す程度のことしかしてくれないだろう。
あなたが精神的パニックに陥っている時に、彼からなぜそうなってはいけないのかという理由や説明をクドクドされるのが嫌なように、彼もまた、あなたからなぜ自分の要求を叶えなければならないかをクドクドと説明されるを嫌うのである。
女性は、よかれと思って自分の要求を正当化する理由を長々と並べ立てようとする。彼女たちは、そうすることで自分の要求がいかに正当なものであるかを彼が解決して快く手助けしてくれるだろうと考えている。
だが、それに対して男性は「だから、あなたは絶対に実行しなくれはならないのよ」と無理強いされているように解釈してしまうのである。説明リストの数が多くなればなるほど、彼の抵抗はなおいっそう強くなる。
彼のほうから「どうしてぼくがやらなきゃいけないんだい?」と聞かれた時だけ、あなたは説明してあげればいい。その際にも、できるだけ手短に説明するように心がけること。無条件に彼を信頼していることを伝えよう。
4 そしてわかりやす。変に回りくどい言い方はさける――女性は、彼に助けてほしい時、自分が抱えている問題については話すが、結局何をしてほしいというような言い方をしないことが多い。彼女は、それだけで彼が自発的に支援を申し出てきてくれるはずだと思い込み、直接的に頼むことを怠るのである。
間接的な要求は、暗に相手に対して自分の要望を伝えることができるが、変に回りくどくて男性につまらない邪推をされたりする。時どきは間接的な言い方をすることもかまわない。だが、頻繁に何度も繰り返されると彼は抵抗感を募らせ、何もしてあげる気がなくなってしまうのである。