第1358冊目 パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術 [単行本(ソフトカバー)] マーティン・ニューマン (著), 小西あおい


パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術

パーソナル・インパクト 「印象」を演出する、最強のプレゼン術


「自信」がパーソナル・インパクトの大前提


プレゼンテーションに限らず、さまざまなコミュニケーションの場面で重要なのは、「自分の与えたい印象」を決め、それに沿った効果的なテクニックを使うことです。


そして、自分の話し方、体の使い方、声の使い方が「あなたが与えたい印象」を発信しているかどうかを自分自身で確認していくことが大切なのです。


その大前提になければならないのが「自信」です。自信とは、何も堂々と自分の主張を他人にアピールする際だけに必要なわけではありません。


他人に優しく接するとき、細やかな心配りが必要な場合にも自信は不可欠の要素です。あらゆる場面で自信を持って振る舞わなければなりません。


主にビジネスパーソン向けにですが、私は以前に「7つの自信」というレポートを書き、自信を築くための7つの要素について発表しました。


1尊敬(respect)
2ビジョン(vision)
3実績(track record)
4開放性(openness)
5信憑性(authenticity)
6一貫性(consistency)
7単純さ(simpilicity)


この7つです。「自信」については、別の本が1冊必要なくらいですので、ここではもっとも重要なことだけをお伝えしましょう。


それは「自信があるように見せるために、自分の内なる自信を表現する」ことは大きな間違いだということです。自分の自信は、他人に押しつける類のものではありません。


本当の自信とは、相手に対して「私はあなたが自信を持って振る舞えるように、あなたのことを尊敬しています」と示すことなのです。


いいですか? 自分に対する自信ではなく、相手に対する自信なのです。


相手に自分の「自信」を感じとったもらうには、まず相手の尊重・尊敬できるところを探して表現することから始めなくてはなりません。


「いいネクタイをしていますね」などの外面ではありません。相手の本質的な部分、人柄についての尊敬です。尊敬の念を伝えることが第一歩です。


「聖書」にもあるように、まず相手に与え、それによって自分も与えられるのです。自信というものはまず自分から他人に与えることで、相手からも尊敬され、自分自身も自信を得ることができるのです。自信とは、同じ目線の高さでのキャッチボールなのです。


相手が自信を持てるように仕向けることで、初めてあなたに対しても自信がある人という印象を持ってもらうことが可能になるのです。


この話をすると「まず相手の信頼を得るということですか?」という質問を受けるのですが、信頼とはまた違います。自信というものは、相手に自分を信頼してもらうために、もっとも必要な要素なのです。自信がベースとなって、その先に信頼が生まれるのです。


自信のない人に限って、武装をするかのように自己アピールをしますが、かえって自信なさそうに映ってしまいますよね?


政治家が「私は誠実です」と言うと、誠実じゃないように思われるのと同じです。