第1180冊目 社員もパートみずから動き出す「心の報酬」の与え方 中 昌子 (著)
- 作者: 中昌子
- 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
- 発売日: 2013/08/08
- メディア: Kindle版
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いまいる社員をわくわく社員に変えるには
わくわく社員を採用することが、小さな会社が成功するための近道とお伝えしました。とはいえ、わくわくDNAを持った人材が欲しいのは大企業も同じです。それに、最初からわくわくDNAを持った人材は貴重であり、正直、採用のチャンスは多いとは言えません。
そこで大切になるのは、すでに職場にいる「わくわくDNA」予備軍との付き合い方です。つまりリーダーの手で、従業員たちのわくわくDNAを開花させていくのです。前述した「わくわくDNAを持っている人の10の特徴」の半分でも備えていれば、十分に見込みありです。
リーダーの手でわくわくDNAを増やす。その最大のポイントは、リーダーである「あなた自身」がわくわく社員、すなわち「わくわくリーダー」になることです。リーダーが率先して手本を示すことで、従業員たちは徐々にわくわくDNAを開花させていきます。
特に意識すべき最初の一歩は、笑顔と挨拶です。
笑顔は、わくわくをつくるための一番のカギになるものです。普通、仕事をする際の笑顔といったら、「お客様をおもてなしするための笑顔」でしょう。しかし、ここでいう笑顔は自分のための笑顔。自分がわくわくするための笑顔です。
ですから、お客様と直に接触しない業務の人にも関係のない話ではありません。
最高の笑顔は、自分の心を前向きに、元気にしてくれます。楽しいから笑うのではありません。笑うから楽しくなるのです。そして、笑顔のリーダーを前にして、ムスっとした顔をしていられる部下などいません。笑顔は、見る人をも笑顔にする力がある。笑顔のリーダーは、笑顔の従業員をつくっていきます。
また、挨拶は、誰よりも元気よく、そして部下より、あなたのほうからすることを心がけてください。リーダーみずからが気持ちよく挨拶をしていれば、部下たちの態度も変わってきます。
それは、リーダーからの挨拶は、従業員の存在を認めていることに繫がるからです。従業員一人ひとりに対してリーダーが心から挨拶することによって、「私のことをちゃんと見てくれている」「私のことをわかってくれている」「認めてくれている」と従業員は安心し、仕事に向かうモチベーションを高めていきます。
朝の「おはよう」、帰りの「お疲れさま」、外出時の「いってきます」、帰社時の「ただいま」、お客様に対する「いらっしゃいませ」……。
もし、「うちの従業員は挨拶もろくにできない!!」と腹を立てておられるより、リーダーであるあなたから、まずは挨拶を変えてみてください。笑顔で、相手の目を見て、明るい声で、心を込めて、自分から、そして必ず、相手の名前を呼びながら「○○さん! おはようございます!」と。
リーダーみずからが実践する姿を見せていれば、従業員の表情と挨拶が変わるまで、そう時間はかからないはずです。わくわくDNAを増殖させるために必要なのは、あなた自身の笑顔と挨拶という、ごくごく簡単なことなのです。
ただし、笑顔と挨拶を従業員の中にしっかり定着させるためには、そのための仕組みづくりが必要です。笑顔と挨拶、どちらにもルールを設け、トレーニング方法を考える必要があります。
あなたが中心となって毎日実践していくことで、組織の隅々にまでわくわくDNAを浸透させていくことができるのです。