第1181冊目 猛獣使いの心理術‐怖い人、強い人とうまくつきあう65の方法 [単行本]内藤誼人 (著)
- 作者: 内藤誼人
- 出版社/メーカー: 梧桐書院
- 発売日: 2010/05/19
- メディア: 単行本
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いい声を出して相手を安心させる
モンゴルの人は、ウマを調教するときに、馬上で歌を歌うらしい。そうすると、調教がやりやすくなるというのだ。
動物に近づいていくとき、まったく何の言葉も発しないでいると、動物はものすごく警戒するのだが、鼻歌でもうたいながら近づいていくと、その警戒が解ける。不思議なことだが、これは事実である。
私が去年、久しぶりにタヌキと出会ったときにも「ふぅ〜ん、ふぅ〜ん」と適当な鼻歌をうたっていたら、かなり近くにまで接近することができた。声を発することによって、タヌキも安心するのであろう。
動物と触れ合うことができる動物園がある。
もちろん、ウサギなどのおとなしい動物とだけしか触れ合うことができないのだが、小さな子どもなどは、何の声もかけず、いきなり動物の体に触れるものだから、動物は「ビクッ」として逃げようとする。
この場合も、触れるときのコツは、何か声を出しながら近づくことである。そうすれば、抱きあげても嫌がったりしない。
赤ちゃんが泣いているとき、お母さんが子守唄をうたってあげると、赤ちゃんはすぐに泣き止む。落ち着いた声で話しかけると、人間も安心するのである。
フランスの催眠療法家のエミール・クーエは、人に暗示をかけるときに一番の武器になるのが声であるとし、低く落ち着いた声で話しかけることを勧めている。
そうすると、あなたは、今よりも何倍も人に好かれるはずである。
「○○さんって、ものすごく渋い声ですよね」
と周囲から声をホメてもられうようになれば完璧である。
イギリスのサッチャー元首相は、ボイス・トレーナーから低い声で話せるようなトレーニングを受けたという。それによって、落ち着いた声を武器とすることができたのだ。
私たちは、ともすると髪型や服装にこだわるくせに、自分の声にはあまりこだわらない。
しかし、これは間違いである。声が相手に与える影響はまことに大きいのであって、できるだけ人に好かれる落ち着いた声が出せるようになったほうがいいのだ。
特に若い女性の場合、高くて、キンキンした声になりがちなので、つとめて低い声で話すクセをつけたほうが、さらに魅力を高めることになるのではないかと思われる。