第４８６冊目 ゴール 最速で成果が上がる２１ステップ ブライアン・トレーシー／著 早野依子／訳

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

もっと責任ある仕事を任せてほしい

私はよくビジネススクールの卒業生たちを相手に講演を行いますが、そのとき必ずと言っていいほど、ビジネスの世界で成功するにはどうしたらいいのかと聞かれます。私の答えはいつも同じで、それは誰にでも効果を発揮するものです。

私のアドバイスには２つのポイントがあります。

１つ目は、新しい仕事に就き、おおよその仕事を自分のものにしたら、できるかぎり会社に貢献したいので、機会があればもっと責任のある仕事を任せてほしいと訴えるのです。

大企業の新入社員だったころ、私がこれを言うと、上司はただ頷き、私の意気込みに感謝の意を示しました。でも、しばらくは何も変わりませんでした。私は数日おきに上司の元へ行き、もっと責任のある仕事をしたいと訴え続けました。

それから数週間後、上司が私にあるプロジェクトの検証を命じました。私は、骨を前にして犬さながらに、嬉々としてそれに飛びつきました。そして、その週は週末返上でプロジェクトを細かくチェックし、情報を集め、レポートにまとめました。月曜日の朝、私はレポートを持って上司の元に直行しました。上司は驚きもあらわに言いました。

「もうできたのか。１、２週間先でもよかったんだよ」

私は上の気遣いに感謝を述べつつ、こう言いました。「ご要望のレポートは完成しました。とにかく僕は、責任ある仕事をもっとしたいんです」

それを機に、私を取り巻く状況は変わり始めました。１週間後、私はまた受け持ちの仕事とは別に小さな業務を与えられました。私は再びそれに飛びつき、全力でそれに取り組みました。それからはほぼ１週間おきに、上司は同じような業務を私に命じ続けました。

私は毎回即座に仕事に取りかかり、プライベートの時間を使って作業をし、出来上がり次第上司の元に持って行きました。

ビジネスで成功したい人に、私ができる２つ目のアドバイスは次のようなことです。

何かを任されたら、ピンを抜いた手流弾を扱うように迅速丁寧にそれを処理し、できるだけ早く上司に報告するのです。

もっと責任ある仕事をしたいと言い続ければ、周囲はあなたのその前向きな姿勢に好意を抱き、機会があればあなたに仕事を頼む気持ちをなります。その結果何かを任せてもらったら、できるだけ早くそれを完遂しましょう。

いつしか、上司は私のことを「使える」人材と認めてくれるようになりました。そして、急ぎの仕事をが持ち上がると、先輩たちを差しおいて、私が呼ばれるようになりました。間もなく、私は出世の階段を登り始めました。

天国の階段 オリジナルサウンドトラック

今日の名言

「あなたの目の前にいる相手は、自分自身のことに関心を持っているのであって、自分以外の人、つまりあなたのことには関心はないのです。このことをしっかりと胸に刻んでおきましょう」――レス・ギブリン

目次

私の人生が変わった日
潜在能力を解き放つ
人生の主導権を握る
自分の未来は自分でつくる
価値観を明確にする
本当の目標を定める
絶対的な意図を定める
自分自身に対する考え方を分析する
初めの一歩を踏み出す場所
進歩を測定する〔ほか〕

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ