第2788冊目 ゴール―最速で成果が上がる21ステップ ブライアン トレーシー (著), Brian Tracy (原著), 早野 依子 (翻訳)


ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ

  • 異例の出世は難しくない


ある日、上司は私に一刻を争う業務を命じました。それはいうなれば、同点で終了間際のフットボールの試合で、ボールを投げられるようなものでした。私はそのボールをつかめて、タッチダウンを決めなければなりませんでした。私はすぐさま行動を開始し、寝食を忘れて仕事に取り組みました。その結果、私のプロジェクトの穴を見つけ、会社を二〇〇万ドルの損失から救うことができました。あと数日私の仕事が遅かったら、そのお金は永久に失われるところだったのです。


その手柄のあとは、怒濤のような展開でした。手始めに、新しい部署の責任者に任命され、それから次々と大きな仕事を任されました。入社してから二年もたつころには、三つの部署を統括して五〇人の部下を率い、五〇〇〇万ドルのプロジェクトを指揮するまでになっていました。


一方、私の同僚たちは相変わらず九時きっかりに出社して、誘い合わせて昼食に出かけ、五時にはさっさと退社して避けを飲みに繰り出していました。彼らは、私の異例の出世をとりざたしては、「運がいい」「上司に取り入った」などと囁きあっていました。彼らは、多くの責任を負うことの大切さなど、まったく気づいていなかったのです。