第323冊目 ユダヤの訓え「大物」になる勉強法 加瀬英明/著

ユダヤの訓え「大物」になる勉強法

ユダヤの訓え「大物」になる勉強法


ユダヤ人の子供たちは、幼いときから次のような格言やことわざを、繰り返し聞かされる。

  • もし、本と服を汚したら、まず本から拭きなさい。
  • 学んだことを復習するのは、覚えるためではない。何回も復習するうちに、新しい発見があるからだ。
  • 100回復習するのと、101回復習するのとでは、その間に大きな違いがある。
  • 恥ずかしがる人は、よい生徒にはなれない。人は貪欲に学ばなければならない。


私はかつてエルサレムのイェシバ(神学校)を訪ねたことがあった。イスラエルには、多くのイェシバがある。「イェシバ」とはもともと「座るところ」という意味である。


そこでは多くの生徒が、聖典や古典を学んでいた。学生が自習している教室に入ると、学生たちが机に向かって座り、ぶつぶつと低い声で呟きながら、書物を読んでいた。


私を驚かせたのは、全員がまるで永遠にコップから水を飲み続けるあのオモチャの鳥のように、身体を前後に大きくゆっくりと揺らしながら、音読していたことだった。異様な光景だった。


学校のなかを案内してくれたラビに、学生たちが舟を漕ぐように、前後に身体を揺すっている理由をたずねた。音読しながらそうすると、本の内容がもっともよく頭に入る、という答えが戻ってきた。


日本でも有名なラビ・ソロモンによると、ユダヤ人は引っ越す際のいちばん大事な地理的条件として、近所によい学校があること、を挙げるそうだ。


ユダヤ人は子供のころから『タムルード』などの教典を何度も繰り返し読み、また聞かされる。どのような学習においても、最も基本となる勉強法は暗記である。それを、聖書時代から連綿と続いてきた伝統の中で、子どものうちからしっかりと身につけさせる。

1章 世界最高の“成功者集団”の秘密-ユダヤ人の“頭脳パワー”はどこから生まれるのか
2章 なぜユダヤ人は「ずばぬけて優秀」なのか-“驚異の人材”を育て上げる彼ら独特のノウハウ
3章 なぜユダヤの処世術は「無敵」なのか-人生のあらゆる問題の解き方を教える“知恵の書”
4章 なぜユダヤ商法は巨富を築くのか-その“緻密な計算”と“徹底した誠実さ”
5章 ユダヤ人の「自己鍛錬」法-この“休日の過ごし方”が彼らの知恵のすべてだ!
6章 ユダヤ人の人間観・結婚観・人生観-きわめて“合理的にして楽観的”、だから何をやっても失敗がない!
7章 ユダヤ人の「したたかな精神」と「創造」のエネルギー-逆境、試練をものともしない“討たれ強さ”の秘密

ユダヤの訓え「大物」になる勉強法

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