第324冊目 選び抜く力 /伊藤真/〔著〕

選び抜く力 (角川oneテーマ21)

選び抜く力 (角川oneテーマ21)

型を意識することは重要です。型が決まっていると無駄な判断の時間が減り、結果的に時間を有効に使えるようになるからです。


人生の失敗経験は勉強の失敗経験でもありました。最初の択一試験まで、私がどういう勉強を仕方をしていたかというと、「とにかく過去問をすべてやる」という方法でした。勉強に出遅れていた私は、とりあえず図書館に行き、その当時出ていた司法試験合格体験記を20年近く、そこにあるものすべてを読みました。


合格体験記にある合格者の勉強の仕方の共通点を書き出し、まず勉強の仕方を勉強を1週間ばかりやったのです。一応成果はあって、受験者の間で「基本書」と呼ばれている、学者が書いた本をしっかり読み込んだとか、過去の本試験の問題を数多くこなしたとか、特定の人気のある参考書をみな読んでいるとか、共通点がいくつかありました。


試験には2通りの問題が出ます。なんだと思いますか?
答えは「自分が知っている問題」と「自分がしっている問題」です。


未知の問題がでたときにどう対応すべきかシミュレーションをするようにしてみました。わからない言葉をとりあえず定義したり、法律の趣旨をとりあえず書き出したりとか、やるべきことを何項目か決めていったわけです。ついでに、論文試験の勉強法も変えました。


考えているだけで何も形を残せない、というのは試験はもちろん、現実の仕事においてだって何の役にも立ちません。


勉強法を選ぶ

何がよくなかったか反省する

悪かったところを修正する

もう一度試す

基本を繰り返しは大事です。


1度選んだ勉強法は全力でやり抜かなければなりません。私が最初に司法試験の受験で失敗したときも、「とにかく誰よりも多くの問題をやれば何とかなる」と思って勉強を続けていたわけです。この世に存在するすべての問題をやれば受かると思っていたのです。ところが実際には合格できなかった。


そこではじめて、この世に存在するすべての問題をやっても受からないということに気づいたのです。全力でやったがゆえに1つの結果を得られたわけです。

第1章 選び抜く力とは
第2章 選び抜く勉強法
第3章 選び抜く人生
第4章 人生の不安と向き合う
第5章 選び抜くための知恵
第6章 社会を変える選択

選び抜く力 (角川oneテーマ21)

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