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第3667冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
⑤限られた時間のなかで、どのような工夫をすれば、いいパフォーマンスができるか、常に時間を有効活用する姿勢をもって業務に当たる。(「忙しい」「時間がない」「人足りない」を言い訳にして、業務レベルの低下に陥るような職員にはならない)
⑥わからないことをそのままにせず、常に新たな知識やスキルを身につける姿勢をもって働く。(福祉系の月刊誌には必ず目を通す。わからないことがあったら、すぐに調べる習慣をつける)
⑦業務改善への取り組みに積極的に参加し、常にレベルアップに貢献する職員になるという姿勢をもって働く。(各チーム、各部署が取り組む業務改善活動には積極的に参加する)
⑧法人が掲げる基本理念、運営方針、ルールを遵守した業務姿勢を貫く。(権利擁護と利用者本位サービス、職業倫理に根ざした業務を行っていく)
⑨感情をコントロールしながら働く。(プライベートな感情を職場のなかに持ち込まない。常に、いい表情で働くようにする。利用者に安心感を与えられるような表情、態度で働く)
⑩利用者にとってどのような介護、支援がベストであるかを考えながら業務に取り組む。(利用者の思い、ニーズ、ベースなどを最大限尊重した介護、支援を行う)
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第3666冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-目指すべき職員のイメージ
①自分の考えだけに固執せず、他者の考えを柔軟に受け止める。(他者の意見に真剣に耳を傾け受容する姿勢を示す)
②他者からの指摘に謙虚に耳を傾ける。(たとえ注意されるようなことがあったとしても、反発するような姿勢を示さず、謙虚かつ冷静に指摘を受け止める姿勢をもつ)
③常に正しい業務の遂行を心がけ、数年後には職業人としての実績を胸を張って示せるようになる。(実績を着実にあげ、職業人としての揺るぎない自信を身につけるような努力邁進する。新しい提案や変化に向けた取り組みが他者から示されても、前向きな姿勢で受け止められる職員になる)
④チャレンジ精神・向上心をもち続ける。(ワンランク上の業務にチャレンジする、もっとワクワクする業務を作り出すという姿勢をもって働く)
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第3664冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-「みんなからこう言われたからこうした」という姿勢を示す
これは、何が正しいのか、どうすることが適切なのか、考えながら仕事を行うことができない人が示す典型的な姿勢だ。他の人が言うことを鵜呑みにし、ただ周りに染まるだけで、自分で考えて行動を起こす業務姿勢が身についていない。正しくないことでも、他者から言われれば、「このやり方でいいんだ」と思い込んでしまう。
このタイプの人は、ごく少数の職員から指示されたことを、「みんなからこう指示された」と勘違いすることも多い。本人は「みんなからこう言われたから、こうした」と思っていることが、実は、ごく一部の職員から言われたことで、みんなではなかった例が数多くある。
「みんながこうしているから、こうするようになった」と本人が主張するケースも、実は、不適切なお手本を見せたのはごく一部の職員であった、というケースが多い。
本人はみんなが示す行動を真似したり、指示に従ったつもりになっているが、実は違う。ごく一部の心ない職員の指示を、みんなが共有する考えだと思い込み、間違った働き方をする。それが、エスカレートして、権利侵害に発展するケースもある。
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第3663冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-小手先の変化では意味がないと主張し、改善への取り組みを全否定する
この姿勢を見せる人は、「そんな些細な見直しに取り組んでも、大きな変化は実現できないのだから、やらないほうがまし」「完璧な変化をもたらすのでなければ、取り組んでも意味がない」などといった言動が得意だ。完璧な改善であれば取り組むかのような発言を繰り返し、完璧主義を装っているが、実は、それを隠れ蓑にして、何もしない口実にしているだけである。
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第3662冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-新たな知識やスキルを身につける姿勢が欠落している
福祉の職場である程度の経験年数はあるが、ただ年数を積み重ねただけで、専門職と呼ぶにふさわしい適切かつ十分な知識や技術を身につけていない人は、業務レベル低下の罠には陥りやすい。
認知症、自閉症、知的障害、発達障害、精神疾患等に伴う行動障害を示す利用者に対しては、威圧的、指示的、叱責的な態度で対応し、力で抑え込もうとする。言葉遣いは乱暴で、相手を威嚇するような言動を示す。排泄ケアや着替えの場面で、ドアをきちんと閉めず第三者から丸見えの状態で介護したり、相手の排泄状況を大きな声で口に出したりするなど、相手のプライバシーへの配慮に欠けた介護を行うようになる。介護や支援のあらゆる場面で、相手の尊厳やプライドを根こそぎ奪うような接し方を示すようになる。
これらの行為が、誰からも注意されずに放置されると、明らかな権利侵害行為あるいは虐待行為へエスカレートしていく。
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第3661冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
-「時間がない」「忙しい」「人が足りない」を大上段に振りかざし、業務の改善や新しい提案をつぶしにかかる
不適切な業務手順や方法、利用者に対して不適切な接し方をする人は、「時間がない」「忙しい」「人が足りない」をことさら強調する傾向がある。誰かが業務の改善や見直しを要求すると、血相を変えて反論。「そんなことを言ったって、時間がない」「そんなこと言ったって、忙しい」「そんなこと言ったって、人が足りない」との発言で抵抗し、新しい提案を即座につぶしにかかる。
福祉の現場に、「忙しい」「時間がない」「人が足りない」現状が存在するのは事実である。しかし、業務手順やこなし方に問題があるために、多忙な状況が生み出されているケースも少なくない。変革への取り組みは、業務負担を増加させるためではなく、現状を見直すことで業務の効率化を促し、負担を減らすためにある。この点に対する理解が不十分なために、変化を拒む姿勢を強く打ち出してしまうのである。