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第3733冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-思考をロジックツリーで「見える化」する
実際の問題解決の現場で論理的思考を展開していくためには、ロジックツリーを活用すると便利です。ロジックツリーとは、樹形図の形で物事を体系的に整理する手法で
論理的思考の道筋を「見える化」するものです。
ロジックツリーによる思考の「見える化」は、次のようなメリットをもたらします。
①複雑な問題を分類・整理して示すことで、重要点を絞り込める
②問題をモレなくダブリなく把握できる
たとえば、次期リーダーの育成をテーマとした場合、問題のテーマが大きく複雑すぎるので、何をどうすればいいのか途方に暮れてしまう人もいるでしょう。しかし、次期リーダーの育成に必要な要素は何かを考え、その要素をロジックツリーによって分類・整理して示せば、複雑な問題を一挙にとらえやすくなります。そして「見える化」した各要素の中から、改善すべき要素を絞り込んでいくわけです。
また、次期リーダーの育成に必要な要素を「見える化」することで、要素にモレやダブリがないかを確認することもできます。問題に影響を与える要素にモレやダブリがあると、正しい結論を導き出せません。この「モレなくダブリなく」という状態のことを英語の略語でMECE(ミッシー)といいますが、MECEは問題を整理する際の絶対条件です。
原因究明のためのロジックツリー
問題の原因究明が目的の場合には、問題となるテーマに対して「WHY?(なぜ)」を繰り返してツリーを描いていきます。そのため、原因究明のためのロジックツリーは、Whyツリーとも呼ばれます。
実際のWhyツリーの描き方は、まず論点(問題)を記入し、「なぜそうなるのか?」と考えて原因を2段階のボックスに書き入れます。さらに、2段目のボックス以降も、書き入れた原因に対して「なぜそうなるのか?」という問いを繰り返し、段階を踏んで真の原因を探り出していきます。どんな目的のロジックツリーにもいえることですが、各段階のボックスをつくる際には、常に「MECE(モレなくダブリなく)」を意識することが重要です。