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第3730冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-成長を促すフィードバック
リーダーがスタッフをほめたり、しかったりしたとき、自分の言おうとしているtことが相手にきちんと伝わったのか、気になることがあります。そこで活用したいのがフィードバックです。フィードバックとは、「相手の行動や発言について素直に感想を述べること」で相手の行動を修正し、目標を達成できるように助けるための情報です。すなわち、相手が客観的に自分自身を振り返ることができるように手助けすることであるため、フィードバックの対象は、ある程度自分で気づいたり考えることができるスタッフに限定されます。
フィードバックの目的は、次のように自分の行動を振り返ってもらうことです。
リーダー:この前のミーティングのとき、気になったことがあるんだけど、少し話してもいい? (対立ではなく支援の気持ちを表す)
スタッフ:いいですよ
リーダー:あるとき、本山さんの発言に表情を曇らせていたけど、何か気になっていることでもあるの?
スタッフ:あの発言についてですが…
ここでは、スタッフに本山さんの発言や本山さん自身に対する思いを整理してもらうための会話であり、アドバイスは不要です。
プライドの高いベテランの場合、指示・指導は反発を買いやすいので、このようなフィードバックが効果的となります。
スタッフからのフィードバックでリーダーも成長する
自分の話が相手に正確に伝わっているのか、きちんと受け止められているかを知るために、リーダーがスタッフのフィードバックを受けることも必要です。リーダーに何かいうのをためらっているスタッフに対しては「私もあなたがどう思っているのかを素直に教えてほしい」と投げかけてみましょう。
なかにはリーダーに批判的な意見をいうスタッフもいるでしょうが、素直にいってもらえるのはよいフィードバックと前向きにとてえて、改善しましょう。
特定のスタッフにだけきつくあたる年上のベテランスタッフが指導しにくい
リーダーの山下さんのチームには、年配でベテランのパートスタッフPさんがいます。Pさんはだいぶ年上で、いくつかの施設で経験があり、現在の施設で山下さんが入社する5年前から働いています。Pさんは、利用者のためにも、チームのためにも、一生懸命に働いてくれる人です。
Pさんは、利用者の入浴介助をするとき、スタッフBさんにきつい口調で注意したり、自分のやり方を押しつけたりしました。
誰に対しても親切なPさんですが、相性が合わないのか、Bさんにはいつも厳しい態度です。山下さんは、先輩で年上のPさんにはなかなか「〇〇してください」と注意しずらく困っています。
「先輩スタッフに指導なんて」と躊躇しているときは、「私はこう思う」というフィードバックが有効です。誰に対しても親切なPさんは、Bさんには厳しい態度ですね。本人も気づいているかもしれませんが、周囲に言われることできちんと自覚できます。「なぜ?」と理由を聞いてみるのもいいでしょう。自覚できない人には、もっと直接的な指示・指導が必要です。