第2680冊目 成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール ダグ・レモフ (著), エリカ・ウールウェイ (著), ケイティ・ェッツイ (著)


成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール

  • できているかどうか確認する


あるスキルを練習したあとには、本番中に現れるスキルを観察し、フィードバックを与えなければならない。フィードバックのループを短くする、フィードバックを使って練習する、フィードバックの「ポジティブな力」を使う、フィードバックを理解しているか確認する――第4章のフィードバックのルールは、練習中と同じく、本番で与えるフィードバックにも当てはまる。「正しいことを探す」とは、練習後の本番中の観察とフィードバックに関することだ。簡単に言えば、何かをやりとげなければ測定が必要で、もっとも簡単な測定方法は「観察する」ことなのだ。


営業部長は営業担当者に、特定のスキルにもとづくセールストークを練習させるかもしれな(ルール10)。ライバル会社と比較して自社製品をはっきりと説明することや、信念を持ってプレゼンテーションを締めくくるといっったことだ。営業部長は話し方について担当者にフィードバックを与え、統合させる(ルール23)。しかし、そこで終わってはいけない。練習のあとの本番で、担当者が本物の潜在顧客に話をするときにも、それを観察し、練習で分離したセールストークの各部分についてされにフィードバックを与えなければならない。「正しいことを探す」のが鍵だ。それで担当者は、いままで練習してきたことが重要なのだとわかる。スキルを使うことを期待されているので、スキルを学び、記憶に焼きつける可能性が高まる。


探すべきことはたくさんある。どこから始めればいいのだろう。いちばん参考になるのは、それまでの練習を振り返ることだ。これを効果的におこなう方法として、練習したスキルをまとめた観察用ツールかテンプレートを作っておくといい。それによって、リーダーも実演者も本番中に何を集中すべきかわかる。一例をあげると、(いきなり指名)というテクニックがある。ロースクール(そして成功している小・中・高等学校)で盛んに使われる指導方法で、生徒が挙手してもいなくても教師が発言を求めるものだ。その(いきなり指名)に関し、私たちの知るある学校は、そのなかの具体的なスキルの観察を、練習後のフォローアップとして授業中におこなう。観察は細かい点、たとえば、生徒の名前を言うタイミング(質問のまえかあとか)や、あらかじめ使うことを知らせておくかどうか(知らせておけば生徒は油断しない)、段階的かどうか(質問が簡単なものから始まり、徐々にむずかしくなる関連した質問で構成されているか)などに注目する。このように的を絞って観察すると、教師がこのテクニックを確実に使うだけでなく、リーダーも効果的な使い方について明確なフィードバックを与えることができる。