第3623冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
 

 

 

-何となく取っつきにくさを感じてしまう就職したての年上の部下

 

 

リーダーの立場にある職員が、年上の部下に苦手意識を感じてしまう原因は多種多様。が、もし苦手意識を感じるのが、入社したばかりの年上職員、あるいは経験年数が、二、三年程度の年上職員である場合、リーダー職員の準備不足が最も大きな原因の一つであると指摘しなければならない。

 

 

福祉の職場で働き始める人の年齢層は幅広い。新卒で就職してくる若者たちもいれば、他の業界で社会人経験を経て、三〇代あるいは四〇代で福祉の業界に飛び込んでくる人もいる。さらに上の五〇代あるいはそれ以上の年上の人が新卒職員として働き始めるケースもある。もはや、どんな年代の人が福祉の職場で働き始めても驚かない。そんな時代になった。

 

 

こうした時代になっているからこそ、リーダー職員は新卒職員育成に関して準備万端でなければならない。準備が不十分で、接し方を間違えると、困った事態が発生する。信頼関係が築けない。「なぜ、こんな若造の言うことを聞かなきゃいけないんだ」と反発姿勢を示されることもある。信任職員を指導できない状態が続くと、他の職員からもリスペクトされなくなる。リーダーとしての自信は急低下。年上の部下をうまく育てられなかったという経験がトラウマとなり、それ以降、年上の職員が入社してくる度に、心穏やかではなくなる。新任職員から信頼が得られないという事態が繰り返され、気がつくと、誰からもリスペクトされない最悪の状態に陥る場合もある。