第3614冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
 

 

 

すでに働いている職員が、適切なあいさつができていない場合は、組織全体で、あいさつの大切さを確認する。朝のミーティングなどの時間を利用して、お互いに目を合わせ、周りの職員にとびきりの笑顔であいさつをするよう指示を出すのも有効な方法だ。大事なのは、個人にも、組織にも、よき習慣となるよう働きかけ、定着させるように、リーダー職員が率先垂範に努めることである。

 

 

同時に、職員に明示してほしいのは、どのような言動が他の職員を不安にするかという点だ。ともに働く職員を不安にしたり、活気や明るさを奪ったりしないようにするために、決して示してはいけない言動を具体例をあげて示すようにする。「他の職員を傷つけぬよう自分の言動に注意しよう」と部下・後輩に働きかけるだけでは、効果はほとんどない。「よし、わかった。これからは気をつけよう」といった表面的な理解で終わる。

 

 

そうならないようにするために、どのような言動が人を傷つける可能性があるか、明示することが必要になる。職員間のコミュニケーション・トレーニングの専門家として知られるリリアン・グラスの言葉を借りれば、どのような言動が、他者の心を傷つける有毒なものになる可能性があるか、明確な形で示すことが重要なポイントになる。