第3613冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
 

 

 

 

-相手が心地よいと感じるあいさつ、言動、所作が示せる人

 

 

職場に明るさと元気をもたらし、ともに働く人が気持ちよく業務がこなせる職場風土を作り出す重要な第一歩となるのが、あいさつである。あいさつがもたらす効果は、想像以上に大きい。どのようなあいさつをするかによって、明るい一日の幕開けになる場合もあれば、気が重い一日の始まりになる場合もある。

 

 

人がどのような所作であいさつをするか。この点に影響を及ぼす要因はたくさんがあるが、最も大きな要因となるのは生活習慣だ。人は、人生のなかで、さまざまな集団、組織に所属する。家族に始まり、保育所、幼稚園、小学校、中学校、そして、義務教育後の学校教育機関などへの所属を経験する。現在の仕事に就く前に、他の業界で正社員あるいは非常勤職員として働いた経験、町内会をはじめとした地域組織への参加、職場以外の団体やサークルなどに所属した経験があるのもしれない。

 

 

これらの経験が「どんな態度や姿勢であいさつをするか」に影響を及ぼす要素となっている。

 

 

注目すべきは、長い年月をかけて、生活習慣の一つとして身につけたあいさつの際の姿勢や態度が、現在の職場のなかで、望ましいものになっているとは限らないという点だ。福祉の職場を訪れると、あいさつという基本動作が十分にできてない職員に出会うケースが少なくない。

 

 

もしリーダー職員として働く職場がこの状況にあるとすれば、即座に行動を開始しなければならない。万が一、初任者研修に、あいさつについて明確に盛り込まれていない場合は、可及的速やかにプログラムのなかに組み入れるようにしよう。

 

 

新たな職場で働きはじめるというのは、新卒者はいうまでもなく、既卒者(あるいは社会人としての経験が長い人)にとっても、重要な転機になる。この大切な機会を見逃してはいけない。採用後には、気持ちよく感じるあいさつとはどのようなものか、どのような動作、所作、作法が必要となれるか、教えるようにする。もちろん、よき手本を、リーダー職員が日々の業務のなかで、見せ続けなければならないのはいうまでもない。