第3617冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田則夫(著)

 

 

 

福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか
 

 

 

-健全なる危機意識をもつ人

 

福祉の職場で働くかぎり、リスクとは無縁ではない。好むか好まざるかにかからわず、必ず、リスクに向き合うことになる。

 

 

利用者が今、保持している力をこれからも失わないようにサポートするには、リスクとは向き合わなければならない。大切なのは、対する目配りを十分にしながら、保持する力を十分に発揮できるようサポートしていくことである。万が一、うまくいかないことがあったとしても、リスクへの対応が十分になされていれば、本人がケガをしたり、命の危険にさらされる事態は回避できる。リスクを踏まえた対応がなされていれば、再チャレンジに向けた取り組みにスムーズに移行できる。

 

 

しかし、リスクに適切に向かう姿勢を身につけるのは容易ではない。油断すると、危ういと思われることはすべて避ける。「事なかれ主義」の罠に陥ってしまう。危ないから、何もさせない。危ないからチャレンジなんてとんでもない。そんな罠に陥ってしまうケースだ。

 

 

だからこそ、リーダー職員は、強く意識しなければならない。健全なる危機意識をもち、事故防止に力を注ぐと同時に、利用者の成長や能力発揮に貢献できる職員の育成に努めていかねばならない。

 

 

危機意識を共有すると職員集団を作りあげる際に、有効なのが、「職場内ハザードマップ」作成の取り組みだ。各部署の職員に、部署ごとに、マップ作成を行うよう指示を出す。自分たちが働く職場のなかに、ハザード(著しい危険)をもたらすリスクはないか、個人ではなくチームで洗い出す作業に取り組んでもらうのだ。