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第3495冊目 FBI捜査官が教える第一印象」の心理学
- 作者: ジョー・ナヴァロ,トニ・シアラ・ポインター,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/01/14
- メディア: 単行本
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-口
私たちは知らない人や嫌いな人に向かって、口を引きしめ、礼儀正しく作り笑いをする。信用している人や好きな人には、明るく、「本物の」笑顔を向ける。みんな両方を経験しているし、人からそうされたこともあるにちがいない。ふたつの笑顔の違いは、目の筋肉(正確には眼輪筋)の使いかたにある。
作り笑いでは、口角が横にまっすぐ伸び、唇は閉じたまま、目にはほとんど表情がない。大脳辺縁系が「形だけ」笑わせていると言えるだろう。
本物の笑顔では、唇の両端が頬骨に向かって上に向き、歯が見え、目のまわりの筋肉が使われて「笑いじわ」ができる。さらに目も快適な感情を表す――瞳孔が広がって目の前の経験に「心を開く」と同時に、眉も上がってワクワクする気持ちを伝える。本物の笑顔ほど力強く、心がなごむ、または歓迎されるノンバーバルは、ほかにない。
反対に、私たちは悩みを抱えると口をしっかり結ぶ。大脳辺縁系によるとても原始的な遮断の反応だ。口を閉じるだけでなく、唇の筋肉を引きしめる。ストレスがさらに強まると、不快のレベルに応じて徐々に唇が見えなくなっていく。ふっくらした唇が、だんだん引きしまり、少しずつ消えていくのだ。