第3489冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-自信がなく、なだめ行動をしている手の動き

 

 

人はさまざまな方法で手をなでることによって、不安な心を表現したり、ストレスを和らげたりしている。手のひらをこすり合わせる、片方の手のひらを別の手の指でさする、などのしぐさだ。こうした動きの速さや強さは、大脳辺縁系の反応の程度に支配されている。さすっているうちに指がからみ合って、手を組んでしまうと、深い、ほとんど祈るような心配があることを誰の目からも明らかになる。

 

 

私がこれまで見た最も極端なストレス解消の、または自分を落ち着かせるしぐさは、両手の指を伸ばしたまま組み合わせて、上下にこすり合わせるものだ。普通は、とても深刻な感情的ストレスまたは不安を抱えている人だけに見られる。この動作からは、本人が解消したいと感じている心の緊張があることを、とても正確に読み取ることができる。発しているのは、「私には重大な心配事または疑念がある」というメッセージだ。

 

 

手の動きの変化は辺縁系の反応の移り変わりを示すとみなして、注目してみよう。たとえば、リラックスして落ち着いていた手を、突然こすり合わせたり組み合わせたりする様子はどうだろうか。反対に、もしも手が「固まる」様子が見られ、急に動きを止めたり、ぎこちない動きになったり、膝のあいだに隠されたりしたら、自信をうしなったこと、または目の前の場面が不快であることを表している。

 

 

私はFBI時代に取り調べをするとき、相手の手が見えなくなる動作に注目していた――特に、相手が自分の尻と椅子のあいだに両手を挟んで座るときは要注意だった。手を動かせなくするのは明らかに大きな不快の表れで、ウソをついている人や、悪いことをして逮捕された人によく見られる。不安を抱えた者にとって両手の上に座ると快適なのは、こうすると肩が耳の近くまで上がり、自信のなさや不安定な心を守るしぐさになるからだ。