第3485冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

-腕が表す自信と支配

 

 

両手を、親指が後ろになるようにしっかり腰に当て、ひじを横に張り出した姿勢は明らかな支配の表現だ。警察官や軍人や警備員でよく目にするし……親も採用する。その昔、私が夜遅く家に帰ると、母親はいつもその姿勢で迎えた。そのしぐさが送っているメッセージは、「問題がある」あるいは「私は一歩も引き下がる気はない」というものだ。

 

 

この姿勢の威力はとても大きいから、女性は時に応じてこれを意識的に利用し、男性がノンバーバルによって女性に与えるかすかな優位性に対抗することができる。その場合、親指を必ず腰の後ろ側に置くよう、注意しなければならない。親指を前にしてしまうと、その姿勢は支配というより、疑問に思う気持ちを表すことになる。

 

 

首の横に大きくひじを張り出して、「フード」のように見せる姿勢を考えてみよう。頭の後ろで手を組み、たいていはのけぞるように椅子の背にもたれかかる。気軽なパーティーからオフィスでの会話まで、あらゆるところで目にするポーズだ。体を大きく広げる姿勢と同様、フードは自信と縄張りを主張する――コブラが、体を大きく見せて支配力を誇示するためにフードを広げる様子を連想させる。同僚の前ならいいが、上司の前では禁物だ。フードを広げることができるのは、目上の者に限る。実際、この姿勢をとっているところに上司がやってくれば、無意識で、あっというまにやめてしまうだろう。