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第3484冊目 FBI捜査官が教える第一印象」の心理学
- 作者: ジョー・ナヴァロ,トニ・シアラ・ポインター,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/01/14
- メディア: 単行本
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-腕、手、指
工場現場の横を通りかかることがあったら、パワーショベルやブルドーザーをじっくり観察してみよう。私たちがブリーフケースを下げ、食品を棚にしまい、楽器を演奏し、子どもを抱くとき、ごくスムーズに何気なくこなしている動きを大ざっぱにでも再現しようと思えば、ずいぶんたくさんのヒンジやケーブル、滑車装置にレバーが必要になることがわかるだろう。そして人間の腕はなんと複雑で多才、しかも美しいと思いはじめるはずだ。
私たちの腕と手は、かつては前肢と前足で、歩行だけでなく身を守るためにも使われていた。大脳辺縁系の命令にとても掃除機に反応し、特に弱点である胴体を保護する役割には敏感に従う。アメリカフットボールの試合を一〇分見ていれば、腕と手でできる数えきれないほどの守備的、攻撃的のいくつかを、確実に目にできる。遮る、押す、つかむ、力強く持ち上げる、投げるなど。さらに、タッチダウンが決まると重力に反するガッツポーズやハイタッチで縄張りを叫ぶ。反対に試合に負けると肩を落とし、腕の動きも小さくなって、遠慮がちな固まる動作を見える。
手と指は、外の世界をつかみとって自分のものにするための洗練されたシステムとして腕から伸びており、やはり心の中の状態をはっきりと表現する。指先で羽のように軽く触れれば、好奇心や畏怖の念、あるいは憧れを伝えることができる。腕、手、指が伝えるものの範囲は非常に広いので、私はいつもこれらの動きについてじっくり時間をかけて学ぶよう教えている。そうすることで、心を読もうとする前に相手の基準となるノンバーバルを理解できるようになる。
手や腕の使いかたには文化が色濃くにじみ出る。地中海地方の国々を旅行してみると、私の言っていることに納得がいくと思う。手の動きが実に表情豊かで、その土地の人だけに意味がわかるジェスチャーやしるしが、無数と言っていいほどたくさんある。それでも、大脳辺縁系の反応に変わりはない。