第3217冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔


入社1年目の教科書

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  • 仕事は根回し


根回しという言葉にどのような印象をお持ちになるでしょうか。


かつてのサラリーマン社会における悪しき慣習。マイナスイメージで捉えている人が圧倒的だと思います。


言葉の印象は確かに悪いかもしれませんが、行為としては必要不可欠なものだと僕は考えています。論点をより深く掘り下げるために欠かせない、かつ全体の意思決定を短縮する作業だからです。


一般的に、会議で結論を出すまでには、いつかの作業フローがあります。


?情報を共有する
?論点を頭出しする
?論点に対する出席者の考えを構成する
?議論する
?結論を出す


会議の場で、これらの行程をすべてやろうとするにはさすがに無理があります。会議にはそれほど十分な時間を費やすことができないからです。


よく見られるのは、企画を提出しても説明ばかりに時間をとられてしまって議論を深める時間がなく、結論を次回に持ち越して終わる会議です。次に開かれる会議でも似たような議論が繰り返され、再び持ち越しで終わってしまう。これでは、いつまで経っても結論が出ません。


会議の場を最大限に生かすには、実のある結論を出すこと、つまり④と⑤に特化する必要があると思います。そのためには、①から③の行程を会議の前に済ませ、参加者からのフィードバックを聞いておく必要があります。これが根回しと呼ばれるものなのです。